zero おまけ3


 弟は人前で猫を被ることが得意だった。
 大抵の人は、彼は素直で優しい子だと答える。
 だが、主人だけは違った。
「度のすぎる悪戯は、悪戯じゃ済まされないぞ」
 兄が倒れた時、まるで冗談のように言われ、だが、心臓はドキリと鼓動を早めた。
 主人が何を知っているのかは、わからない。
 ただ、主人の、すべてを見透かすような鋭い青灰の眼が、弟は苦手だった。








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