「あのね、」 「ん?」 「私、ベルのこと…―――」 ―――好きなの… ピッ、ピピピーッ 携帯のアラームが鳴り響き私は夢から覚めた。 昨日、遅くまで書類整理をしていたから体がダルい。 私は欠伸をするとベッドから起き上がった。 早く着替えて準備をしなきゃ。 そういえば何であんな夢を見たのだろう。 …私がベルに告白する夢なんて、気持ち悪い。だいたい私がベルに告白なんかするわけないじゃない、さすが夢ね。現実じゃあり得ないことだわ。 私はそんなことを考えながら着替えると部屋から出た。今日は久しぶりにSランクの任務、頑張らなきゃ。 でも何でベルと一緒なのよ、気まずいじゃない…あんな夢見た後だし。 「何、人の顔じろじろ見てんだよ」 「べ、別に…見てないわよ」 「ふーん…あっそ」 もしかしてバレた? ううん、上手く誤魔化せたはず。 それにしても胸がドキドキする。あんな夢見た後だし、意識しちゃうじゃない。 ベルってこんなに格好良かったっけ? 「ベル」 「なに?」 「何でもない」 「はあ?」 ベルは私の態度にムカついたのか不機嫌そうな顔をした。 「オレ、お前に何かした?」 「えっ…何もしてないけど」 「だってお前、オレをじろじろ見てくんじゃん」 「…かっこいいな、って思ったから」 あんな夢を見た所為で…なんてことベルには言えないから私は咄嗟に嘘をついた。 「は?」 「かっこいいなって思ったから!」 でも言ってから後悔した。私ったら結局恥ずかしいこと言ってる。私は恥ずかしさのあまり顔が赤くなってしまった。 これじゃあ、まるで私がベルに恋してるみたいじゃない。 「……お前、それマジで言ってんの?」 「当たり前じゃない」 「お前、変なもんでも食った?」 「食べてない!」 失礼しちゃう。 私がそんなこと言うのがおかしいのかしら、まったく。 私が少し怒っていると… ベルは少し黙ると私のことを見つめた、ような気がした。ベルは前髪で目が隠れてるので実際は私の方なんか見ていないのかも知れないが何故だが私は見つめられているような気がしていた。 「…お前にそんなこと言われると照れるんだけど」 「え…」 不意討ちだった、あのベルが照れると言った。 どうしよう… 私ったらドキドキしてる、もしかして私はベルのことを好きなの? 「あのね、ベル」 「ん?」 「わ、私…」 やだ、私ったら…何言ってるのよ。これじゃあ、まるであの夢みたいじゃない。 そういえば、夢では告白の返事を聞いていなかった…ベルは何て答えるんだろう、YES?それともNO? うわ、緊張してきた。 「あ、そろそろ任務始めねーとヤバくね?」 「…っ あ、そうだったわね」 私ったら任務前に何考えてんのよ、ダメじゃない。 告白なんか簡単にするものじゃないのに…はぁ。 やっぱり現実は夢とは違うわよね。 まあ、だから面白いんだけど。 「なあ、お前何やってんの?」 「別に、ただちょっと考え事していただけよ」 でも夢がいつか正夢になれば良いのに、なんて少しくらいは思ってるけど夢みたいに私が素直に告白するのはおかしいからやっぱり、やめておこう。 |