Password | ナノ


 
―パスワードを入力してください。


「何これ」

「さあ、気づいたらありましたー」

「何でそんなとこにオレ宛の物があんだよ」


ベルフェゴール様とかかれた封筒が何故かフランの部屋にあったのでフランはベルの部屋まで届けに来た。


「多分隊内の誰かが間違えてミーの部屋に届けたんじゃないですかねー」

「多分そうだろうな
てかお前何で先に封筒開けたんだよ」


「だって、気になるじゃないですかー」

「ふざけんな

で、開けたらこのカードが入っていたんだな?」

「はいー
でもパスワードを入力してくださいと書かれていて」

「パスワード?」

確かにカードにはパスワードを入力しないといけない仕組みになっていた。

「可笑しなことするやつですよねー
堕王子相手にこんな手間がかかることするなんて」

「カエル
今日何日だっけ」

「え…確か22日」

「しし、わかった」

「パスワードがわかったんですかー?」

「ん、まあな
だってオレ王子だもん」

「うわ…恥ずかしくないんですかー?
その台詞そろそろ卒業したらどうですかー」


「うるせーな、カエルは黙ってろ」


「はいはい
でパスワードは何だったんですかー?」

「ヒミツ」

「ちょっと酷くないですかー」

「じゃオレパスワード入力してみるからお前部屋から出てけよ」

「えー」


「ほら早く行けよ」

「ちょっとセンパイ押さないでくださ…」

ベルはフランを部屋から追い出すとカードを見た。

「誰だよ。こんな手の込んだことするやつは…
しかもバレバレなパスワードを設定するなんて
1・2・2・2っと」


パスワードを入力すると音声が流れはじめた。


《あ。パスワードとけたのー?流石ベル誕生日おめでとう》



ベルにはこの声のに聞き覚えたがあった。
任務に行ってた自分の彼女。



《――遠くにいてもお祝いしたくて》



《つい手の込んだことしちゃった》



《でも嬉しかったでしょ?》



《夜には帰れるよう頑張るから》


《二人でパーティーしようね》

ここで音声が切れていた。

「何がパーティーだよ」

ベルはいつもと違う弱々しい声でそう呟いた。

「お前死んだから無理じゃん」


そう。彼女は死んでいる。
今朝早く死体が見つかったのだ。
任務に失敗して即死だったらしい。


「オレの誕生日に死ぬとか…酷くね」

夜には彼女の死体が運ばれてくるだろう。

ベルはその時平常心でいれるのか不安になった。




12月22日。
今日はベルフェゴールの誕生日。
そして彼女の命日。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -