藍に溺れる | ナノ




「うわー…
何やってんですかー?」

「引っ越し」

「いや、そうじゃなくて
何でミーの部屋に?」


「暇だから」

「暇だからとかそんな理由で変なことしないでくださいよー」

「フランは私を愛してないの?」

「はあー?」

この人は何でいきなりミーに変な質問をするんですかねー。
どうせ愛してるって言われたいんでしょう?

「私はこんなにも愛してるんだよ?」

「そんなこと前から知ってますから」


泣き落としなんかミーに通用しないことを彼女にはいい加減わかってほしい。

「馬鹿フラン」


「聞こえませーん」

ミーが耳をふさぐふりをしたのが気に入らないのか彼女はそっぽを向いた 。
まったく女ってのはややこしい生き物だなー。


「何が気に入らないんですかー?」

「全部」

「はい?」

「フランが優しくない」

「そんなこと前からわかっていたでしょー?
なんで今さら」

「私は優しくされたいのっ」


そんな目でミーを見ないでほしい。
あんたにはミーなりに優しくしてましたよね。
これ以上優しくなんて無理ですから。

「あ、一つ提案があるんですけどー」

「何?」

「あんたが素直になったら優しくしてあげますよー」

「私、素直だよ?」

「えー本当にそうですかー
ミーにはそう見えませんよー」


「…」

あ、戸惑ってる。
すごい慌てようだなー。

必死になっている彼女を見るのがミーの楽しみなんて言ったら彼女は怒るんだろうなー。

彼女の泣いてる顔だって実はすごく好き。
だからわざと泣かせたくなる。

優しくなんかしてやらない。
それがミーの愛し方。

どんどんミーに溺ればいいんですよー。



「…寂しかったから
フランとずっと一緒にいたいから
一緒の部屋で暮らしたい」

「よくできましたー」



彼女で遊ぶのは楽しいけど。

まあ今日のところはこれで終わりにしてあげますよー。

ミーが彼女の頭を撫でると彼女は安心したのか泣き止んだ。


「…んっ」

「嫌でしたかー?」


「嫌じゃない…」

「これからは寂しかったら素直に言ってくださいよー」

「うん」

「嘘ついてもあんたの嘘はバレバレなんですからねー」

「わかった」

「よし、あんたの荷物ミーの部屋に移しましょうか」

「あ、手伝ってくれるの?」

「だってあんた一人じゃ一週間くらいかかっちゃいますよー」


「ありがとう…」

照れているのか彼女は下を向いた。
本当、彼女は見てて飽きない。

てか、あれミー大事なことを忘れているような気が。



あー…

「…そういえばボスに許可取りましたー?」


「あ…」


「まさかー」


「忘れてた
どうしよう、フラン」


「とりあえずボスに理由を話してきましょうかー」


「え…無理だよ」


「大丈夫ですよー
二人一緒なら怖いものなんてないでしょー?

それにミーと一緒にいたいんでしょう?」


「うん」

ミーは彼女の手をとり走り出した。
さあ、これから一緒に怒られに行きましょうか。

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