ひらひらと舞落ちた雪 | ナノ




「へっくしゅん」

ミーのくしゃみの音がまわりに響く。
ちっ…もう一枚服着てくれば良かったなど考えながらミーは一歩、一歩、歩く。

「大丈夫?」

「あー多分大丈夫ですー」

「そう?」

彼女が心配してるというのに…
寒すぎてつい素っ気なく答えてしまった。
でも今のミーは仕方ないんだ。
今日彼女がどうしてもイルミネーションが見たい見たいと言うのでわざわざ早い時間から待っているからかなり寒い。
天気予報の嘘つきー。

「ちょっとフラン顔色悪いよ…
やっぱり帰ろうよ」

「何言ってんですかー
ここで帰ったら待った意味がないじゃないですかー」

こうなったらもう意地でもイルミネーション見てやる。

「あ…フラン
イルミネーション点灯し始めた」

「…あ」


「綺麗でしょう
様々な色で木々を輝かせて…ふわ、ふわと点滅しては他の色になったりして
まるで幻覚みたいだね」

「そうですねー」

ニコニコ笑う彼女を見ていたら寒さなんて吹っ飛んだ気がした。

でも…



顔に水がかかった気がした。
ミーが上を向くと雪が降り始めてきた。

「…雪降ってきましたよー」

「え…あ、本当だ初雪!」



「ったくあまりはしゃがないでくださいよー」

「ねえ、フラン」

「なんですかー」

「初雪を見たカップルはね
永遠に一緒にいられるんだよ」

「!」

そういうと彼女は抱きついてきた。

ミーも仕返しにと強く抱きしめる。

「フラン、好きだよ」

「ミーも愛してますよー……」

ヤバい頭がくらくらしてきた。

「フラン、フラン…!」

薄れ行く意識の中
彼女に名前を呼ばれた気がした。




どうやってアジトに帰ったのか覚えていない。
目が覚めた時彼女がいて熱が40℃あったんだよと教えられた。

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