バイバイ、僕が好きな君 | ナノ


※死ネタ


暇潰しのつもりだったんだ。



「ねえねえ」

「なに♪」

「ジンジャーは私の事本当に好き?」

「なに言ってんの♪本当に決まってるじゃないか♪」


「よかった…」

僕が笑うだけで彼女は騙される。
ばっかみたい♪
僕が人を愛すると思っちゃってんの?

本当に人間は馬鹿ばかり♪

「フフッ♪
あのさ君はどんな場所が好き?」

「つれていってくれるの?」

「うん♪」

これは嘘じゃない。
だって好きな場所で死にたいでしょ?
わざわざ希望を聞いてるの♪

「…花畑かな」

「了解♪
いますぐ行こうか♪」

「えぇ?急だよ」

「問答無用♪」


彼女は渋々了承した。

――――

花畑に着くと彼女は子供のように、はしゃいだ
今から殺されるのにね。


「見て見て、ほら花が綺麗だよ」

「そうだね」

「うん!」


フフッ♪
ニコニコと笑う彼女を見ていたら、これから殺すのがスゴく楽しみになってきた♪


「ねえ、ジンジャー
私、幸せだったよ」

彼女は花畑に座り込むとそう言った。

「なに言…」

「だから幸せだったって言ってるの」

彼女の目は死を受け入れているかのような目だった。

「…」

「ジンジャー…」

「ふうん、ぜーんぶお見通しだったんだ
なら説明はいらないよな♪」

僕がそう言い笑うとコクりと彼女が頷いた気がした。

予想外だったけどまあいっか。
目的は変わらないしね。

僕はパチンっと指を鳴らした。
それと同時に彼女身体から無数の蜘蛛が弾け出た。

彼女はただ静かに目を閉じた。

可哀想な彼女。
僕の事を好きにならなければこんな風に殺されなかったのに♪

本当、馬鹿な女。


「バイバイ♪」

僕が好きな君。


彼女の死に顔は思ったより安らかだった。

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