花火大会の夜 | ナノ




花火大会の夜の日のことだった。
同じクラスの獄寺隼人に会ったのは。


「あ、獄寺くん」

「誰だ?」

「ほら同じクラスの」

「…あ」

やっと気づいたのか。

「獄寺くんも花火大会に来たんだよね
なんか意外だな〜
あ、もしかして沢田くん達と来てるの?」

「ああ」

「ふーん
で獄寺くんは迷子ってわけか」

「そんな事言ってねーだろが!」

「冗談だよ
まあ、迷子私の方なんだよね」

あはははーと笑いながら私がそう言うと…

「誰と来たんだ」

と獄寺くんは言った。

「京子たちと来たんだけど…
あ、何々心配してくれんの?」

「誰が心配なんかするか
…笹川達なら10代目と一緒だ」

「マジ?
で沢田達は今どこいんの」

「………知らねぇ」

「はい?」

「だから今、オレも迷ったから10代目をさがしてる最中だったんだよ!!」

「…怒鳴らないでよー
うるさいよ
あ、じゃあ一緒にさがそうよ」


「ああ…
その方が見つけやすいな」

で、私は今獄寺くんと沢田と京子達をさがしてるんだけど、見つからない…

「獄寺くん
沢田達いないね…」

「あぁ…」


「早く見つけなきゃ…花火始まっちゃうよ」

私が走ろうとしたその時だった。

「危ねぇ!」

「きゃ」

獄寺くんに手をつかまれた。

「今、転びそうだったぞ
お前浴衣なんだから気を付けろ」

「あ、ありがとう」

そんな彼の優しい一面に不覚にもときめいてしまった。


「…手、つかんだままでもいいか?」

「え?」

「お前危なっかしいからこっちまでヒヤヒヤすんだよっ!」

「はい」

「じゃそろそろ行くぜ」

獄寺くん…
私の歩くペースにあわせて歩いてくれてる。
優しい…
イメージと違ったよ。


しばらく歩くと沢田達がいた。

「10代目!」

獄寺くんは沢田を見たとたん私の手をはなして走っていってしまった。


…あはは、本当に沢田が大事なんだね、獄寺くん。


「…まあいっか」


恋は始まったばかりだしね。
覚悟しててね。
獄寺くん!

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -