マグネット | ナノ




貴方が「黒」と言えば私は「白」と言う。

私が「上」と言えば貴方は「下」と言う。

貴方が「右」と言えば私は「左」と言う。

私が「嫌い」と言えば貴方は「好き」と言う。

そう。正反対。


「ねえ。いつまでそばにいる気?」

「貴方が死ぬまで…かな?」

「そう。君は死にたいみたいだね」

「やっだー!怖いこと言わないでよ」

「ふん」

「あららー
拗ねちゃった?」

「口を塞ごうか…」

「あれまあ
本当に貴方は素直じゃないねぇ」

「君に言われたくない」

「そう?」

「…」

「返事ぐらいしてよ
恭弥くんの意地悪!」

「うるさい。僕は委員会の仕事で忙しいんだけど」

「へぇ、真面目に仕事してるんだ…」

私がわざとらしいような驚いた顔をしてそう言うと怒ったのか睨まれた。

「…こわーい」

「やっぱり君を始末してから仕事しようかな」

「忙しいんじゃなかったの?」

「…!」

「手伝ってやるから私に書類貸してみなさいよ」

「君の手なんて借りなくても僕は」

「強がり言わないの」

「…わかったよ」

やや不機嫌そうだが私に書類を渡した。


「へぇ…」

「何?」

「いやこんな仕事まで風紀委員会がやるとはねぇ
並中に生徒会とかないわけ?
まあ、生徒会があってもなくても貴方なら一人でやるだろうけど」

「わかったなら早く手伝ってよ」

「はいはいわかりましたー」






―――――

「終わったわよ」

「ありがとう」

「…ふーん。ちゃんとお礼は言えるんだぁ」

「うるさい」

「あはは
恭弥くん、かわいー
あ、そういえば恭弥くん」

「何?」

「最近並盛に危ない奴らがいるらしいんだ
だから一緒にそいつらをさー…やっちゃわない?」

私たち正反対なのにさ。

「ワオ、それは面白そうだね」


「じゃ決まりだね」

何故かさ…
時々ピッタリくるんだよね。
まるで磁石のように。

マグネット


(正反対なのに)
(何故だがピッタリ合う)

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