愛故に? | ナノ



「はぁ…はぁ…
副隊長、何でこんなこと」

「えー♪
暇だったから、暇潰し♪」

「だからと言って
あ゛あああぁ゛」

「フフ♪
もっと苦しめよ♪」

私は現在副隊長の匣兵器によって苦しめられているところだ。
痛いしもう嫌。

「副隊長、私を殺す気ですか?」

「どうしようかな♪」

ムカつく。
楽しそうな声で笑う副隊長を見ていたら殺意が芽生えた。


「…副隊長これ以上私を傷つけるようならば無線で上に連絡しますよ」

「甘い甘いバァ〜♪
やれるもんならやれば?」

まさか…
私は慌てて無線を確認した。

「く…っ」

「フフッ♪」

やはり副隊長によって壊されていた。

「副隊長
無線壊しましたね…」

「何のこと?僕は知らないよ♪」

「…貴方は私のどこが嫌いなんですか?」

「全部♪」

「そーですか」

やっぱり副隊長は最悪な人物だ。
帰ったら絶対グロ隊長に言ってやろう。
副隊長がちょっかいだす所為で任務が思うようにできませんと。

にしても腕が痛いそれに腕を這いずる蜘蛛を見ていたら気持ち悪くなるし最悪だ。
まあいつものことなんだけど。

「フフ♪
お前、ボーッとしてるとそのうち殺されるよ♪」

「副隊長、私はボーッとしているわけではなく貴方が…」


「フフ♪任務中に話す暇があるなんて
ずいぶん余裕があるんだね♪」


「副隊長、任務はもう完了してます」


「え〜♪そうだっけ?」


「副隊長…いい加減にしてください
それと早く匣兵器をしまってください」

「ヤだね♪」

「どこまで私に嫌がらせをする気ですか」

「死ぬまで♪」

「…そう言うと思ってましたよ」

「フフッ♪」


「笑って済む問題じゃ」

「フフッ♪」

「副隊長っ!」

「わかったよ♪
腕を治せばいいんだろう?」

「ふ、副隊長?」

いきなり腕をつかまれた。

「フフッ♪
目を閉じて僕が魔術をかけてあげる♪」

私は言われるまま目を閉じた。

しばらくすると開けてもいいよと言う声が聞こえ私は目を開けた。

「あれ、腕が…」

「どうだい僕の魔術は?」

「って晴属性の活性の力じゃないですか」

「フフッ♪
これで満足した?」

「え…あ、はい」

「じゃあ、帰ろうか♪」

「ちょっと副隊長」

「何?」

「今日の副隊長
優しくて怖いです」

「フフッ♪
お前は早く死にたいみたいだね♪」

「すいません、すいません許してください」

「フフッ♪」


「あ…そういえば何で私にだけ嫌がらせするんですか?」

「愛故に♪」

「嘘だッ!」

「フフッ♪バレた?」

「バレバレの嘘じゃないですか!」


「フフッ♪」

「あー何か副隊長をぶっ壊したくなりました」

「やれるもんならやってみろよ♪」

「いや…やはり遠慮します」

「そう?」

「はい」

「フフッ♪
あ、そうそうお前今度から給料10%カットな♪」

「はぁ…?
なんでですか」

「生意気だから♪」

「いや、ちょっとまってくださいよ?
副隊長、私いつ生意気でした?
てかあんたが給料カットされろぉ」

「フフッ♪」


「笑ってごまかさないでください!
可愛い部下になんてことする気ですか!」

「フフッ♪
可愛い部下なんていたかな?」

「死ね」

「そんなこと言っていいのかな〜?」

「すみませんでした」



「フフッ♪」


疲れる。
この人の相手をすると
なぜ私にばっかり構うのだろうか。
嫌いだからか。


「僕は結構贔屓しているつもりなんだけど♪」

「副隊長!?」

「フフッ♪
全部口に出てたけど
お前って本当に間抜けだな♪」

「…贔屓しているって本当ですか」




「本当だけど♪
見ればわかるだろ?
お前ぐらいとしか喋らないし」

「あ。確かに部下の中では私ぐらいですね」

「だろ♪」

「はあ…」

「そのくらい気づけよ♪ばーか」


「だっていつも副隊長
私に対して酷いじゃないですか!!」


「だから愛故にだって♪」

「え、それ嘘じゃ」

「ないから♪」

「………」

「フフッ♪もう帰ろうか
グロ隊長に怒られるのは嫌だから♪」

「はい」



何故かこの時、副隊長は私の手を握り駆け出した。


「副隊長!?」

「今日は天気が良いから
走って帰るよ♪」

「は?」

「フフッ♪」


ニコニコと笑う副隊長を見ると怒る気も失せ。
二人でアジトまで走って帰った。

もちろん予定より遅くなったので。
グロ隊長にぐちぐち嫌味を言われたがこっそり手を繋いだまま私と副隊長は笑っていた。

「貴様ら何がおかしい!」

「別に〜♪」

「グロ隊長を馬鹿にしているわけではありません」

「黙れ、黙れ、黙れ!
では何で笑っている!」

「秘密♪」

「秘密です」

「貴様ら…
給料50%カットだ―!」


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