何事もほどほどにね | ナノ




「べるー」

「…」

ベルは最近ゲームに夢中で私に構ってくれない。
今日だって私が何回も何回も声をかけているのに返事もしないし。
一緒にいてもつまらないし…寂しい。
だから私は今度は大声で名前を呼んだ。

「ベル!」


「…お前少し黙ってろよ
うるせーし」

ベルは一瞬ゲームをやめると私の方を向き、冷たくそう言ったらまたゲームをやり始めた。

二人でいるのに会話なんてない。
部屋に鳴り響くのはゲームのBGM。
ベルは無邪気な顔してゲームで遊んでいる。

私よりゲームが好き?
ゲームしているときの方が私といるときより楽しい?
なんてベルに聞く度胸もない。

私は、ただベルがゲームをやめるのを待ち続けた。


――――

あれから何日たっただろうか。
ベルは毎日毎日ゲーム三昧で。
今日も私はベルがゲームに飽きるのをベルの部屋に行き待っていた。

「まだ終わらないの…」

私がそう問いかけてもベルは答えない。

あはは…今日もダメかな。

諦めてもう帰ろ…私がそう思った瞬間だった。


「ししししし…!全クリぃ

…ん、お前まだいたの?」


「ベル…」

「ちょ、泣きながら抱きつくな
ウザイ」



「だってだってベルが構ってくれなかったからじゃないの」

「しし、泣くなよ」

「ベル…」

ベルは私の頭を優しく、優しく撫でた。
私はすごく心地よかった。

「今日、何曜日?」

「月曜日!」


私が笑顔でそう答えるとだんだんとベルの顔が青くなってきた。

「やべっ
今日ゲームの発売日じゃん」

「へ?」

「じゃ、オレ買いに行ってくるから
留守番よろしくな」

「ベル?」

「じゃ、バイビー」


ベルは私に軽く手を振ると部屋から出ていった。


神様、お願いします。
ベルがゲームにすぐ飽きますように。
どうか…本当にお願いします。

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