私は今日彼女になりました | ナノ


「はあ?嘘でしょ…」

それは昨日のことだった、休み時間に親友がいきなり好きな人がいると言ってきたのは。

「嘘じゃねーって」

「相手は誰?」

「ヒミツ」

「このクラスのヤツ?」

「だからヒミツ」

「それじゃわかんないじゃん」

「お前に知られたくねーもん」

「親友なんだから…教えてくれたって」


「ダメなもんはダーメ」

「ベルのケチ」


「ったくうるせーな…しかたねぇ
…ヒントぐらいなら教えてやんよ」

「え、マジで?」

「ヒントだけだからな」

「わかってるって
で、このクラスにいる?」

「いる」

「誰だろう…身長とかは?」

「オレよりチビ」

「って、あんたより小さい女子って言ったら全員当てはまる」

「ヒントだけって言ったじゃん」


「…くっ
顔は可愛い?」

「フツー」

「…じゃあ」

私がまたヒントを聞き出そうとした時、休み時間終了のチャイムが鳴り響いた。



―――――

結局、昨日は聞きそびれたが今日こそは聞いてやる。
私はそう思いながら教室のドアを開けた


「おっはよー
…ベル、話があるんだけど」

「わりぃ
今、そんな気分じゃねぇ」

「わかった…けど何で?まさか何かあった?」

「…朝からチョコもらったり告白されたりで疲れてんだよ」

「ああ、今日バレンタインデーか」


「好きなヤツはバレンタインデーってこと忘れてるし、もう最悪」

「…バレンタインデーを忘れるなんて…そんな女子が私以外にいるとは」

「はあ?お前のことだし」

「ああ、私のことか
なーんだ…って、え?マジ?」

「…そんなに驚くなよ」

「だって…」

親友だと思っていた人からそんなことを言われたんだ。驚いたっていいじゃないか。

「オレはお前が好きなんだよ、わかった?
…返事は?」

「私もベルが好き…かも?」

「はあ?かもってなんだよ
王子をバカにしてんの?」

「いやだって急だし」


「…ちっ
とにかくお前は今日から彼女な」

「…わかった」

「しし、これからよろしくな?」

「…っ」

ベルは私にキスをすると満足した笑みを浮かべた。
私はいきなりキスされたからドキドキしてるし。ああ、もうベルの所為で無茶苦茶だ。

でもキスが嫌じゃなかったってことは私、好きかもじゃなくて本当にベルが好きなの?
ああ、わからない。

「お前、鏡見てこいよ
顔真っ赤じゃん」

「ベルの所為でしょ」

「もう一回してやろーか?」

「バカ」



私は、今日
親友から彼女になりました。

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