窓から見えるのは | ナノ


「ねぇ、見て見て
雪が降ってる」

「だから何だ?」

「だから何だって…ちょっと冷たい!
少しは感動とかしたらどうですか?」


「感動だ?
くだらねぇ、時間の無駄だ」


「せっかくの雪なのに…」

私が声のトーンを少し下げていうと彼は私から目をそらした。

「…雪なんてすぐ溶けちまう物のどこが良いんだ」


「全部!」

「くだらねぇ」

「ボスにはわからないの?自然の美しさが」

「わかりたくもねぇ」

「もう…」

まあ彼が自然の美しさを理解できないことは前からわかっていたけど。

「だいたい、てめぇは何事に関しても感動しすぎだ」

「…か、感動するのはいいことですよ」


「いいことだ?
花が咲いたり空が綺麗なだけで感動するのはいいことなのか?」

「いいことですよ
そうだ、ねえボス」

「何だ?」

「雪が積もったら皆で雪合戦しましょう」

「…くだらねぇな」

「やっぱりダメですか?」

「…別にダメとは言ってねぇ」

「じゃあ良いってことですか?」

私が嬉しくてニコニコ笑いながらボスに尋ねるとボスは黙って頷いた。

「ただし」

「ただし?」

「この資料の山を片付けてからだ」

そう言うとボスは資料が山積みになっている机を指差した。

「…今日中には無理です」

「てめぇになら出来る」

そう言うとボスは私の頭の上に手をおいた

「…わかりました」

「わかったならさっさとやってこい」

「はーい」

これから私はこの資料を片付けなければいけないのかと思うと気が重くなるがまあいいか。

片付け終わったらボスたちと雪合戦できるのだから。

私はそう思いながら資料を片付け始めた。
でも何でこんなに資料があるんだろう…
こんだけ量が多いと時間がかかるから雪が溶けてしまう。
そしたら雪合戦ができないじゃない。
早く終わらさなければ…
私は黙々と手を動かした。

―――――


「…あれ」

ふと気がつくとあたりは真っ暗で私は今まで寝ていたようだ。
なせが私の背中には毛布がかけられていた。

「起きたのか?」

「あ、ボス
すみません、寝ちゃって」

「まあ…今日のところは許してやる」

「ありがとうございます
…って雪合戦はもう無理ですよね時間的に考えて」


「ああ」

「…せっかく雪降ったのになぁ」

「…落ち込むんじゃねぇ」

「はい
…あ、そういえば毛布かけてくれたのってボスですか?」


「あぁ、そうだ」


「ありがとうございました
毛布が無きゃ風邪引くとこでした」



「…明日は暇か?」

「明日?
ええ、暇ですけど」


「雪合戦の代わりに
てめぇの好きなところつれていってやる」

「本当ですか?」

「オレがわざわざ嘘つくわけねぇだろ」

「ですよねー
あ、じゃ絶対約束ですよ」

私がそう言って笑顔になるとボスも少しだけ笑顔になった気がした。

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