1mルール | ナノ
 


私はいつになったら先輩に近づけるのだろう。最近やっと仲良くなっただけだし、まだ私は先輩のことを知らない。
好きな色や、好きな場所、好きな言葉、好きな物、私は何一つ知らないのだ。
聞くタイミング、なんて私にはわからないし…そんなこと聞いて教えてくれるかもわからない。
でも、私は先輩の近くにいきたい。


「どうしたら先輩との距離が縮まると思う?」

今日は思ったより任務が早く終わったのでフランの部屋でフランと私は世間話をしていた

「そんなことミーに聞かないでくださいー」

「いいじゃない、たまには」

「たまには?」

「すみません、いつもの間違いでした。
あ、フラン…今日暇?頼み事があるんだけど」

「何ですかー?」

「スゴく…くだらないことなんだけど」

「今日、ミーは何すればいいんですかー?」

「私と一緒に先輩を尾行してもら…」

「あ、用があったんで今日はやっぱり無理ですー」

「ちょっと…フランっ!」


私は逃げようとしたフランを捕まえた。絶対逃がしはしない、この尾行にはフランの力が必要なのだから。




―――――


「何でミーが」



「しーっ…静かに」

私たちは尾行をしていた。ストーカー…では無いと言いたいが他人から見たらストーカーだろう。
先輩はこの間、女の人と歩いていたあの場所に向かっていた。こっそり私たちは後ろからついていく。


「ミーもう寒いから帰りたいんですけどー」

「ごめん。少し我慢して」

先輩がどこに行くのか興味があったのだが今は不安しかない…
だってあの場所に向かっているのだから、
女の人に会いに行くんじゃないか不安になる。

「…あんたそんなにセンパイが好きなんですかー?」

「好きだよ…」

「それはもう恋愛的な意味でなんですかー?」

「そうだよ。フランにはまだちゃんと言ってなかったよね…」

「脈はあるんですかー?」

フランは少し黙り…チラッとセンパイを見てから私を見つめてながらそう言った。

「無い。全然無いよ」

「まあ…ミーには関係無いことですけど、一つ言わせてくださいー」


「何?」

「多分、あんたフラれますよー?」

ズキッと心臓が痛くなった気がした。

「わかってるよ、そんなこと」

「わかってんならセンパイを諦めれば良いじゃないですかー」

「…いくらフランに言われても無理だよ」


「あんたならそう言うと思ってましたー
仕方ないから応援してあげますよー」

「ありがとう、フラン」

「…あ、動き出しましたよ」

「え?」

フランに言われて私は目で先輩を追った。確かに先輩は歩き出していた。その時…

「…っ
あんたは目を閉じててください」

「え、何で?」


「いいから」

フランは私にそう強く言った。何を隠したいの…?

「ごめん。それは出来ない」

「…!」

フランが止めているのを無視して私は先輩を見た。
そこには、あの女の人と 歩いてる先輩がいた…


先輩、あの言葉は嘘だったんですか?



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