1mルール | ナノ
 


昨日、任務が終わり車に乗った時私は先輩に寄っ掛かりながら寝てしまったらしい。
らしい…と言うのは寝ていたので私にはその記憶が無いからだ。
なぜ記憶が無いことを私が知っているかと言うと起きた時に先輩とフランに教えられたからだ。

先輩に寝顔を見られるなんて私の馬鹿、一生の不覚。

アジトに着いてもまだ私は眠くてフラフラしていて足元がおぼつかなかった私を心配した先輩が部屋まで送ってくれて、私はそのあとすぐ寝たはずだったのに…

何で何で何で何で先輩が隣で寝ているの?

あ…まさか私が無理やり連れ込んだ?
いやいやいや私に限ってそれは無い。
でもその場の勢いでついって可能性も…
私が頭を抱えて悩んでいたその時先輩が起きた。

「…はよ」

「お、おはようございます
あの…何で先輩がいるんですか?
私が先輩に何かしたんですか?」


「…お前昨日のこと覚えてねーの?」

あ…やっぱり私、
何かやっちゃったんだ
もうここは土下座して謝るしかない。


「すみませんでした!!
この罪は一生かけて償いますので
どうかお許しください」

「しし
何やってんだよ」

「え?」




私が顔をあげると先輩は私のおでこにデコピンをした。

「お前はオレと何もしてねーから

あーお前マジ面白れぇ
簡単に引っ掛かんなよ」

「あはは…」


嘘に決まってますよね…
もしかしたらと思った自分を殴りたい。

「オレが何で一緒にいるかと言うとお前がオレを離さなかったから」

「離さなかった…?」

「そう。お前がオレの服掴んで離さなかったんだよ」

「…そうだったんですか」

どうせなら起きている時にそんな美味しい状況を味わいたかった。
私はタイミングが悪いのだろうか?

車の件だって今回のだって
ぜーんぶタイミングが悪い気がする。

「先輩」


「ん?」

「あの…ありがとうございました」


「別に礼なんかいるかよ」

「だけど…本当に」


「とりあえずお前はいちいちペコペコ頭下げんなよ」

「あ…はい」

「ほら、また頭下げてる
本当仕方ねーヤツ」


「本当ですよね
あ、先輩」

「あ?」



「やっぱり何でもありません」

「あっそ」

先輩、気づいてますか?
貴方の手が私の手に触れていることを。

私ばっかドキドキして…
先輩はズルイ。

早く気づけば良いのに…
ねえ、先輩
この手を握ったら気づいてくれますか?

「本当にありがとうございました」

「気にすんなって」

「でも…でも本当にありがとうございました」

そう言うと私は先輩の手を握った。

先輩は驚いた顔をして私を見た。

「何してんだよ、バーカ」

そう言うと先輩は私の手を握り返した。

先輩と朝から過ごせて今日も頑張れる気がした。


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