1mルール | ナノ
 


返り血があちこちに飛び散り
あたりは血で真っ赤だ。

私は敵を倒すと空を見上げた。

ああ、今何時だろう?
空は曇っていてよくわからない。

昨日はあれから帰るとすぐ任務に出掛けたのだが日付を越えて今日になっても私たちは任務をしていた。

敵の数はかなり多いので楽しいけど少し飽きた。

ワンパターンな敵を殺しても楽しくない。
たまには違うような敵を殺したい
なんて思うのは贅沢。

ああ、先輩は今頃どんな風に敵を殺っているのだろう。

私は先輩が戦っているところを見たくなってきた。
だって先輩では人を殺してる時が一番輝いているから。

そうだ。自分の仕事を早く終わらせよう。

そう思うと私は敵を倒し奥へ奥へと突き進んだ。

だが倒しても倒しても敵が現れるからなかなか奥へは進めない。

こうなったら奥の手だ
私は2つ目の匣を開匣した。


―――――


なんとか敵を倒すと私は先輩の元に向かった。


「先輩!こっち終わりました」

「ん、お前やっぱり任務完了すんの最近早くねぇ?」


「…先輩もスゴいですよ
こんな人数をすぐ殺ってしまうんですから」

先輩が人を殺すのを見れなくて残念な気持ちでそう言った。


「人数が多いだけで
手応えは全然なかったけどな」

そう言うと先輩はいつもの笑顔を見せた。

「先輩」

「なんだよ?」

「先輩の笑顔
私、好きです」

「…はあ?
何言ってんだよ、急に」

「いや、今思ったので…」

「あっそ」

「本当なんですよ!」

私がそう言うと先輩は少し考え事をしているような素振りを見せた。



「なあ…」


「はい?」

「…オレも好きなんだけど
お前の笑った顔」


「ありがとうございます」

私が笑顔でそう言うと先輩はそっぽを向いてしまった。

「…カエルを迎えに行ってすぐ帰るぜ」

「はい」

私たちはフランを迎えに行くため歩き出した。
フランの元に辿り着くまで私たちは色々な話をした。

私はこの瞬間がすごく幸せだった。
先輩と話して隣を歩くことが私にとってはかけがえのないものだから。

こんなこと人に言ったら笑われるだろうけど…

フランの元に着くと先輩はフランに向かってナイフを投げた。
いつものことなので私はあまり気にしない。


「ベルセンパーイ
ナイフ投げるのやめてくださいよー」

「ヤだね」

「二人とも喧嘩はほどほどにしてくださいね」

人を暗殺するのが私たちの仕事。
だけどこんな風に仲間同士で楽しくいられるのは素敵なことなのかな。




「二人とも
そろそろ帰りましょうよ」


ああ、こんな日常が
毎日続けばいいのにと
私はこの時強く願った。



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