1mルール | ナノ
 


私は先輩を好きになってしまった。
いつからかなのかわからないが…

でも告白とかする気はない。私は今の関係で満足しているし…先輩と私はただの先輩後輩関係でいい
私は先輩のお側にいられるならどのポジションでもいいんだ。


「せーんぱい
今日は一緒の任務ですね」

廊下でばったり会った先輩に私はそう声をかけた。

「そーだな」

「私、先輩との任務が一番楽しみなんですよ」


「そんなんお前の顔見たら誰でもわかるっつーの」


「あ、先輩」

「ん?」

「欲しいものとかありますか?」

「教えたら誕生日くれんの?」


「違いますよ
なんとなく気になっただけで」

「お前慌てすぎ」


「え、いや、慌ててなんていませんよ」


「…つーか別に何でもいいんだけどさ」

「はい?」


「だからプレゼントなんか別に何でもいいって言ってんの」


「だからプレゼントじゃ…」

あぁ、せっかくサプライズで渡そうとしたのにバレちゃった。
私のバカ、あんな質問して動揺したからだ。



「ま、とにかく期待しないで待っててやるよ」

先輩はそう言うと笑いながら行ってしまった。




「期待しないでって酷いですよ、先輩」

先輩の後ろ姿を見ながら私はポツリとそう呟いた。
絶対すごいプレゼント用意して驚かしますから…。


――――

あれから一時間後
私は先輩と一緒に任務へ向かった。

「先輩」


「あ?」

「打ち合わせ通りにやってくださいよ」

「わかってるっつーの
お前心配しすぎじゃね?」

「先輩が時々作戦を無視するからですよ」

「お前いちいちうるせーし
オレはそろそろ行くぜ」

「せ、先輩…っ」

私を無視して先輩は先に侵入してしまったので私も慌ててあとを追った。
侵入してからは先輩とは別行動なので私がへまをしたら先輩に迷惑がかかるということだ。

私はバレないように慎重に奥へ奥へと進んだ。


ちょうど曲がり角に差し掛かった時、話し声が聞こえてきた。見つからないように私は息を潜めて待つ。敵を誰にも見つからないよう殺れるチャン角を曲がった瞬間だけ。


………よし、今だ

私は匣兵器で敵を倒した。敵は油断していたので時間はかからなかった。

問題はここから
死体を見つけたら敵は私たちの侵入に気づくだろう。

素早く行動しなきゃあっという間に敵に囲まれるだろう。

「行こうか」

私は匣兵器にそう話しかけると他の場所に移動した。



…先輩も今頃は楽しんでいるだろうな。私は目の前の敵を殺しながらそう思った。だって私も楽しいから


――――

一通り片付くと私は先輩の元に向かった。


「あ。先輩!こっちは終わりましたよ」

「んなの見りゃわかるし」

「先輩は相変わらず片付けるの早いですね」

「ったりめーだろ
だってオレ王子だもん」

さらっとそんな台詞を言う先輩はスゴいと思う色々な意味で。


「私が先輩のレベルに追い付くにはあと何年かかりますかね?」


「んー
多分100年くらいかかるんじゃね?」

「先輩、私
あと100年も生きれる自信無いです」

「んなことわかってるからいちいち言うなよ
冗談に決まってんだろ!


…真面目な話
今のお前じゃ後10年以上は」

「10年以上ですか…」

「まあ…あとお前の努力次第で変わるかもな

…そろそろ帰るぜ
オレもう疲れたし」

先輩はそう言うと欠伸をしながら歩き始めた。

「待ってください、先輩」

私はそう先輩に向かって叫ぶと後を追った。


先輩…私は早く追い付きたいんで。
10年以上かからないよう努力しますね。


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