1mルール | ナノ
 


待受画面を見ると自然と笑みがこぼれた。
先輩との2ショット
ぴょんぴょん跳ねて喜んでもおかしくないくらい嬉しい。
でもよく先輩は写真撮ろうだなんて思ったなぁ。
私は携帯を閉じると先輩の元へ走り出した。
どうしても理由が聞きたくて。



――――


「理由?お前そんなの聞くために走ってきたのかよ」


「ダメですか、聞いたら…」

「理由は昨日言ったろ
また隠し撮りでもされたら嫌だからって」

「でも、私のこと嫌いな先輩が珍しいですね」

「…別にどうでも良いだろ」

「私はスゴく嬉しかったです」

「へぇ…
ま、お前がどう思おうとオレには関係ないけど
ひとつだけ言っとく勘違いすんなよ」

「はい
大丈夫です。私は先輩を尊敬してるだけですから…」

「尊敬ってどこを?」

「全部です」


「…約束あったじゃん」

「はい」

約束がどうかしたのだろうか。
はっ…まさか2メートルに増やすとか?
きっとそうだ。

「もう破ってもいいから…
じゃ、オレ任務だから」

「え…?先輩待ってくだ…」

先輩は走って行ってしまった。
私は予想と全然違ったことに驚いた、だって夢みたいだから。
約束破ってもいいって近くにいてもいいってことでしょう?
それって…
つまり先輩と仲良くなれるチャンス
それに今月は先輩の誕生日があるし。


私、もしかしたらついてるかも。

でも誕生日プレゼントに何をあげたらいいかわからない。
食べ物?服?アクセサリー?花束?

先輩、何が好きなんだろう?
私…全然先輩のこと知らない。

明日は無理だけど明後日は確か非番だったはずだから街にショッピングにでも行こう。
先輩が喜んでくれるようなプレゼントを絶対探す!

とりあえず今日は情報収集でもするとしよう。
まずはルッス姐さんに先輩の好きな物を聞こう。


―――――

「え?
ベルちゃんの好きな物?」

「はい
先輩に今月誕生日なのでプレゼントをあげようと思ったんですが
何が好きかわからなくて」


「そうねー
お寿司とか牛乳かしら」

「…他に食べ物以外は」

「私もベルちゃんのことをよく知らないのよ
ベルちゃん人に自分のことべらべら話さないタイプでしょ?
だからごめんなさいね」

「そんな気になさらないでください
こっちこそ変な質問してすみませんでした」


どうしよう
…他に聞くあてなんかない。ルッス姐さんが知らないことをレヴィさんが知っているはずもないし、スク隊長は任務でいないし、フランだって先輩のことは知らないはずだし。
こうなったらボスに聞くしか…
いや、ダメだ。
そんなくだらないこと聞いたら消されてしまう。


どうしよう
先輩の誕生日まであと16日。



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