「ベル…」
私のベッドでぐっすりと寝ているベルを起こそうと思って私は、ゆっくりとベルの体を揺すったがベルは起きない。 本当に仕方ない人。 夜中に突然私の部屋に来たと思ったら、勝手に私のベッドに寝るし。まあ、余程疲れていたのだろう 最近忙しくてあまり寝てないって言ってたから。 私は暇なので寝てるベルをじっと観察してみた。 やっぱり前髪が邪魔だな、瞳が見えない。 なんか狡い、一度でいいから瞳を見てみたい。きっと綺麗なんだろうな。 ねえ、ベル…私は貴方が大好きなんだよ。早く気づいてよ、馬鹿王子め。 私は、昔からベルに片思いしている。自分でも何でこんな人が良いのかわからない。王子様なのに少し乱暴で我が儘で猫みたいに気まぐれで私をいつもいじめるけど時々優しい、そんな人なのに。 「起きてよ、ベル」 とても寂しいじゃない。こんなに近くにいるのにベルと話せないなんて。 「私は寂しがり屋なんだから、構ってくれないと死んじゃうんだからねー…なんて」 起きないとわかってるから普段言えないようなことも言い放題だ。 「ふふふ ねえ、ベルは知ってる? 私ね…ベルのことが」 「ベルのことが、何?」 「べっ、ベル!?」 いつから起きていたんですか。私が驚いて固まってるのを見るとベルは笑いながら私の頭を小突いた。 「なあ」 「…なあに」 小突かれた頭が痛くて私は頭をおさえながら返事をした。 「オレのこと どう思ってんの?」 「それは…」 言えるわけないじゃない、告白なんか。 「10秒以内に言わないと殺すから いーち、にぃー…」 「うわあ!わかった、言うから えっと… 私は、ベルのことを尊敬してるよ!強いし…えっと、なんかスゴいし」 「は?それだけ?」 「…うん」 なんとか誤魔化せた。まあ、ベルは不満そうな顔をしてたけど。 「お前って本当 意気地無しだよな」 「えっ!?」 「まあ、そーゆーとこも好きだけど」 ベルはそう言うとニヤリと笑った。 それは反則だよ、ベル。 |