ハツコイ。 | ナノ
 


昨日は恥ずかしいところフランに見られちゃったなぁ…

とりあえず、任務行かなきゃ。



あれ、あそこにいるのはフラン…?

フランがしたっぱの女の子達と何か話をしている。
てかよくしたっぱの分際で幹部話しかけれるなぁ。まあ、わたしも人のことは言えないんだけど…したっぱ時代に幹部の人達に遊んでもらったし。


それにしても何話してるか気になる。
…時間はまだあるし、立ち聞きしてもいいよね?





――――

「フラン様ぁ」

「何ですかー?」


あぁ、女の声がイラつくのは久しぶりだ。
甘ったるい声ってなんかムカつくのよね。


「何でユラ様とデートなんかしてるんですかぁ」

「あたし達の方があんな女よりフラン様を楽しませることできますよぉ」


あんな女ってコイツら、ぶっ殺す…


「…何でそう思うんですかー」

「だってぇ
あの子裏表激しいんですよぉ
性格だって悪いし」

「顔だって可愛くないし
それにあいつ自分の両親殺したりとか気持ち悪いし」

「あ、フラン様あいつ何でいつも右手隠してるか知ってますかぁ?
あいつリスカしてるんですよ」

なんでコイツらわたしのこと知ってんの?

「気持ち悪いですよねぇ!
フラン様…?」


「ミーから言わしてもらえば
お前らの方が性格悪いし、可愛くないでーす
だから早くミーの前から失せろ」


「…っ」

女達はプライドをズタズタにされたのか顔を赤くして去って行った。
それにしてもフランが庇ってくれるなんて…意外。


「そろそろ出てきたらどうですかーユラ」


「あ、やっぱりバレてた?」

「バレバレですよー」

「…何でわたしなんかを庇ったの」

「だって、ユラは性格悪いですが両親殺すような人じゃないし自傷だってしなさそうだし
ミーは嘘つきが嫌いだっただけですー


ユラ?」


「フラン、それ全部ホントのことだよ」

「…!?」


「驚いた?わたしね、父に虐待されててね
だから父を殺したんだ
グシャグシャにした
さんざんわたしを苦しめたから念入りに殺したの
母は任務で殺した

それでね虐待されていた頃からの癖なんだけど嫌なことがあるとわたしリスカしちゃうの」

フランは黙ってわたしの話を聞いてくれた。

「一人で抱え込んでたんですかー」

「昔は、ね。今は違うけど…
でも、わたしがリスカやってること知ってる人は少ないはずなんだけど
さっきの子達は何で知ってたんだろ…」


「ユラ、ミーはうまく言えないけどあんたに言いたいことがありますー
もし辛いことがあって自分を傷つけたくなったらミーに会いに来てくださーい
愚痴ると楽になりますよー」

「ありがと
フラン…わたし最近あんたに感謝してるわ」

「…そりゃどーも」

「フラン、あんたとわたしは友達だよね」

「………はい
友達ですよー」


なぜだかわからないが一瞬フランは残念そうな顔をした。


「フラン」

「何ですかー?」

「わたし任務行ってくるね」


「行ってらっしゃい」

「行ってきます」


わたしはこの時
あんなことになるなんて気づいてなかった…


「ルネ、待った?」

「遅いわよユラ!」

今日はルネと二人での任務だった。

「ルネ、ホントにここなの」

わたしは任務の場所をキョロキョロと見回した。
辺りには何もない、ただの森林だ。


「ううん
あってるわ…
アタシの任務は…ね!」

「!?」

「驚いたぁ?」

わたしは、いきなりルネに首を絞められた。

「な、ん、で」


「キャハハハハ驚いた?」

「わ、たし、たち親、友でしょ」

「ごめんなさいね
アタシも幹部になりたかったのよ?
だからねユラが邪魔なのよ…わかる?」

自然と涙が溢れ出た。
親友だと思っていたルネに裏切られて苦しかった。

「だいたい、あんた何様のつもりよ?
フラン様に媚び売っちゃって」

「ル、ネ?」

「あんたは知らなかったでしょうが
アタシ、フラン様のこと好きだったのよ
だからあんたが余計邪魔なの
せっかく馬鹿な女共使ってあんたを嫌われるよう仕向けたのに」

ルネだったんだ。
さっきの女達にわたしのこと言ったのは。

「信、じて、たのに」


「は?アタシはね
あんたのイイコちゃんぶるとこ大嫌いなのよ
これ以上喋るならもっと苦しくさせちゃうわよ?」


ルネの声があまり聴こえない。
意識が遠のくのがわかった。

あぁ、わたし死ぬんだ…
サヨナラ、皆
そう思った時だった。

わたしの、
大切なホントの親友が来たのは。




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