ハツコイ。 | ナノ
 


それは突然のことだった。

「あら、ユラちゃん今日誕生日じゃない?」

とルッスーリア先輩に言われたのは。

「あ、そういえばそうでした」

「ダメじゃない本人が忘れちゃっ!」

「だって最近任務続きで」

「ユラちゃん
今日楽しみにしてなさい」

「何でですか?」

「そのうち、わかるわよ〜♪」

「はぁ…」


わたしは任務帰りに自分への誕生日としてホールケーキを一箱買った。

フランと一緒に食べよう。


―――――

アジトに帰りボスに報告書を提出した。

「ボス、今日の任務は早く片付きました」

「そうか…
おいユラ今日誕生日だろ?」

「はい」

「今日の任務報酬を倍にしといてやる」

「あ、ありがとうございます…ボス」

「…」

ボスは優しい。
わたしは小さい時から可愛がってもらった。

ボスの部屋を出るとベルフェゴール先輩に会った。




「おい」

「何ですか?」

「お前今日誕生日なんだろ」

「はぁ…そうですけど」

「これアイツからプレゼント」

ベルフェゴール先輩はそう言うと私にプレゼント投げつけた。

「…っ
相変わらず乱暴ですね堕王子さん」

「お前フランに似てきたな…

あ、言っとくけど
何でオレがお前にプレゼント渡しに来たわけはアイツが謝れってうるさかったから」

「アイツって深緒さんが?」

「アイツ以外に誰がいんだよ
この間あんなこと言って悪かった
じゃ、オレこれから任務だから」


「あ、ありがとうございました」

「礼ならアイツに言えよ」

「持ってきてくれたのは先輩ですので」

「ふーん
じゃあな…」

ベルフェゴール先輩が謝るなんて…
うわ、明日は大雨だなぁ。
なんて考えながらフランの部屋に向かった。


―――


「…フラン?」

ノックしても返事がなかったので合鍵を使って部屋に入った。

「いない…」

任務かな…
いや、でもフラン今日任務ないって言ってたし。

まさか、浮気?
いやいやフランに限ってそれはないよな…

「ったくどこ言ったのよ」





―――


あれから3時間たったがフランは帰ってこない。
よし、こうなったら電話しよう…
わたしがそう思った時に。
「あ、鍵開けっ放し…
ユラいるんですかー」

「あ、うん
おかえり、フラン」

フランは帰ってきた。

「ただいまー…
ってユラどうしたんですかー
テーブルの上に置いてあるケーキの箱」

「あ、フランと食べようと思って」

「ふーん
そうですかー」

「フラン?」

「ユラ、誕生日おめでとうございまーす」

「あ、あんた知ってたの?」

「はいー
教えてもらいましたルッスーリアさんからー」

「え、そうなの」

「はい
あ、ユラ
目を閉じてくださーい」

「こう?」

「左手出してくださーい」

「はぁ…?はい」


「目を開けてください」

「もういったい何なのよ…
って、ええええ!?」

わたしは左手を見て驚いた。
だって薬指に指輪が。

「あ、驚きましたー?」

「驚くわよ普通!」

「だってユラに喜んで欲しくてー」

「…ありがとう」



「ユラ、ミーは一生ユラを守ります」

「馬鹿、それはわたしの台詞」

「何言ってるんですかー
ミーは男なんですよー?
ユラくらい守れます」

「わたし、弱くないもん」

「ユラ、」

フランはわたしを抱き寄せた。

「…フラン?」

「ミーを信じてくださいよー
ったく…そうだ、ユラ約束してください」

「何を?」

「ミーは毎日ずっとそばにいるわけじゃないのでユラ、お願いですー…
二度と自分を自分で傷つけるなんてことはしないでくださいー
どんなに辛くてもユラは一人じゃない
ミーがいますから」

「フラン、ありがとう」

「…っ!」

わたしは自分からフランにキスをした。

お父さん、お母さんありがとう。
貴方達のおかげでわたしはフランに会えました

ヴァリアーの皆さん、ありがとう。
わたしは貴方達に出会ってから変わりました。

フラン、ありがとう。
わたしに恋を教えてくれて。

フラン…
わたしは、素直じゃないし可愛くもないのに一生守ってあげるなんて言ってくれてありがとう。
フラン、大好き…
愛してる。――――





「ユラ、」

「何?」

「愛してますー」

「わたしも」


「今日はやけに素直ですねー」


「なんとなく素直になりたかったの…」

「それにしてもユラからキスするなんて…」

「嫌だった…?」

「嫌じゃないですよー
むしろ嬉しいでーす」

「よかった…」

「あれ何か言いましたー?」




「独り言!」





貴方のすべてを愛してる。

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -