ハツコイ。 | ナノ
 


小さい時幸せだった時期がある。

まだお母さんとお父さんが仲良くてわたしも幸せだった。
でもある日お母さんはお父さんと喧嘩して出ていった。

それからお父さんは人が変わったようにわたしに暴力を振るうようになった。

わたしは優しいお父さんが好きだった。
だから殺した。
今でも殺した時のこと覚えてる。


わたしはいつも一人だった。
学校なんて行かしてもらえなかった。
友達もいない。
人と関わるのも苦手。
そんな性格なんかヴァリアーに入っても変わらないそう思っていた。
でもそんなわたしに優しくしてくれたのはヴァリアーの皆だった。
わたしを変えてくれたのはヴァリアーの皆だった。

でも素直になれなかった。
いつも強がってた、本当は弱い癖に…
でもわたしは頑張った。
いっぱい修行した。
辛くても幹部になるためだと思えば大丈夫だった。

仲間が死のうが関係ないと思いこんだ。
そういう業界だから。
たとえ大切な人が死んでも泣かないように努力した。
だから、死んでほしくないと思ったのは久々だった。
多分わたしはフランのことがスゴく好きなんだろう。
フランがいなくなったら、わたし死んでしまうかもしれない。

馬鹿だな。
わたし…こんなに弱かった?

最近は互いに忙しくデートなどはしてないけど任務が終わって帰ってきたらフランは真っ先にわたしに毎日会いに来てくれる。
今だってフランはわたしの部屋に来てくれている。

スゴく幸せ。

「ユラ?なに考えてるんですかー」

「ないしょ」

「意地悪ー」

だって言えないでしょう、スゴく幸せなんて。

「フラン
わたしフランに依存しそう」

「ミーも同じですー
もしユラが敵に殺されたら
ミー、敵をあの世に逝かせてから
ユラに会いに行きますからー」

「自殺したら地獄いっちゃうよ」

「どのみちミー達暗殺者は地獄いきですよー」

「それもそうだね」

でもね、フラン。
地獄だろうがわたしはあなたがいればそれでいいんだよ?
フランがいれば地獄だって…―――

「ユラー
フランがいるなら地獄も天国だよ…とでも言いそうな顔してますよー」

「なぜわかった」

「ユラはわかりやすいですからー」

フランはそう言うとニヤニヤとした笑顔でわたしを見る。
「うるさいっ」

「でも、ユラがいたら天国かも…」

「と、突然何言い出すの」

「照れてるー?」

「照れてない」

「嘘、顔が真っ赤ですよー?」

「…」

フランには嘘が通用しない。


「まあ死ぬ前に結婚ぐらいはしたいですねー」

「うん、したいね」

「で、家作ってユラと暮らしたいでーす」

「わたし、家に研究室作りたい」


「いいですねー
あ、ユラには結婚したらヴァリアー辞めてもらいたいですー」

「ヤダ
暗殺はわたしの生き甲斐」

「だってユラに死んでほしくないですよー」

「馬鹿、わたしだってあんたに死んでほしくないわよ…」

「まあ、ミーは多分死にませんよー」

「…何でそんなこと言えるのよ」

「だってミーが死んだらユラが泣くから
ミーは死にませんよー」

「ば、馬鹿じゃないの!?わたしフランが死んだら笑ってやる」

「ユラは無理ですよー
泣き虫なんだから」

「な、泣き虫じゃない」

「ハイハイ、そういうことにしといてあげますよー」
「…」

「どうしたんですかー?」

「別に…
わたし、フランとずっと一緒にいたいなぁ…って」

「プロポーズのつもりですかー?」

「んなわけないでしょ…
だいたい、わたし達はまだ若いし」

「結婚なんて互いの気持ちが盛り上がった時しちゃえば大丈夫ですよー」

「…馬鹿」

「あ、そうだ」

「何?」

「新婚旅行は日本に行きたいです」

「結婚してないうちから新婚旅行の話?」

「こういうのは早めに決めた方が」

「馬鹿か…あんた」

「まあ、結婚は先の話ですよねー」

「だからわたしさっきからそう言ってるでしょ」

「…そうでしたー?」

「おい」


「とりあえず幸せになりたいですねー」

「まあそうだけど」

「ミー、ユラを幸せにしますからー」

「期待しないで待っとく」

「素直じゃないなー」

「…冗談
楽しみに待ってるよ」



「指輪何号ですかー?」


「だからあんたは気が早いって」



こんな会話も幸せで
いつまでもフランと
一緒いたいと思った。




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