ハツコイ。 | ナノ
 


目を覚ましたら場所は医務室だった。
わたしはどうやら気を失っていたらしい。
わたしはルネのことが気になり隣にいたフランに訊いた。

「フラン、ルネは…?」

フランは答えなかった。
多分ルネは死んだのだろう。

わたしの所為だ。
わたしが親友の気持ちもわからなかったせいでルネは壊れた。

「ルネはわたしの所為で…」

「違いますよー
どのみち彼女は殺されてましたよー」

「フ、フラン…」

「彼女、ミルフィオーレにここの情報売ってたんですよー」

「嘘…」

「だから気にしないでくださーい
ユラの所為じゃないんですよー」

「…」

ルネが死んだことに関してなぜか怒りよりも悲しみの方が強かった。

ルネありがとう。
裏切り者でも貴女はわたしに素敵なことを教えてくれた。

甘い考えかもしれない。
でも、ルネせめて天国では…―――




「ユラ、ボスが言ってましたよー
三日間休んでいいって
せっかくだからゆっくりしてください
疲れたでしょー?」


「そう…ボスにお礼言っといて」

「はい」


―――――

次の日お見舞いにルッスーリア先輩が来た。

「大丈夫だったの〜?
私心配したのよ〜!」

「はい、大丈夫です
それにボスが三日もお休みくれましたし」

「ユラちゃん実はね」

「はい?」

「その事だけどね
フランちゃん頑張ったのよ〜
ユラちゃんを休ませてってボスに頼むの」


「え…フランが?」

「あの子不器用だから〜ユラちゃんには言わなかったのよ!
良いわねぇ若いって」


フランが?
何でわたしの為にそこまでするのよ…

「ルッスーリア先輩」

「何?」

「わたし、今気になる人がいるんです
彼、意外とわたしに優しくしてくれて
わたし、わたし…」

「好きになっちゃったのね」

「多分、そうです」

「ふふ、じゃあやることは一つじゃない」

「はい?」

「告白よ〜」

「無理ですよ
わたしに素直じゃないですし告白なんて…」

「大丈夫よ〜そんな気にしちゃダメ!」

「無理です、それにわたし…」


「もう!そんなんじゃ100年かかっちゃうわよ?
女は度胸よ!」

「え、愛嬌じゃなくて?」

「細かいことは気にしないの
いい?その彼が来たらちゃんと告白するのよ、わかった?」

「えぇぇぇぇ!?無理です、無理」

「大丈夫よ!うまくいくわ
だってあの子も…
ううん、何でもないわ
私はそろそろ行くから告白成功したら教えてね」

「あ、待って…」

ルッスーリア先輩はわたしの話を聞かず部屋から出て行った。

ったく、わたしに告白なんか無理。
だって、アイツはわたしのことなんて…

わあああ…!
イライラする。
何でよりにもよってあんなやつを好きになったのよ。

馬鹿馬鹿!わたしの馬鹿!

告白なんて考えただけで憂鬱じゃない。
第一フラれたら。

あぁ、考えたら考えるほど嫌になる。

でもまさか
わたしが恋をするなんて、10年前は考えられなかったのになぁ。
そういえば昔、大好きな人に教えてもらったな…
恋する素晴らしさを。




―――

午前4時。
フランがわたしに会いに来た。



「任務は?」

「終わりましたー」

「そう、お疲れ様」

「ユラー
何でミーと目をあわせようとしないんですー」

「え、あ、そうかな?目をあわせようとしてないかな?」

「はい、おもいっきりしてませんよー」

「気のせいじゃない?」

「…ユラー
嘘はダメですよー?」

「はいはい。ごめんなさい」

あぁ、わたしはなぜかフランに弱い。何でだろう…
恋をしているから?

「まあ、いいですけどー」

「あ、フラン…」

「何ですかー?」

言うなら今しかない。

「わたしは、フランが…
フランの事が」

「ストップ
もう、それ以上言わないでくださいー」


「あ、だよね…」

あぁ、わたし失恋決定じゃん。


「ユラ?泣いてるんですかー」

「泣いてない」


「意地っ張り…」

「うるさい…っ」



「でもミーはそんな意地っ張りなユラが好きですよー」

「は?」

「あ、驚きましたー?」

「うん」

「だってミーから告白したかったんですよー」

「なんで?」

「だって、先に言われたら負けた気がするからー」


「フランのバーカ」

「なんだとー馬鹿ユラ」


「あはは…
悩んで損した」

わたしは緊張がとけたからかフランと両思いになれた嬉しさかはわからないがつい笑ってしまった。

「やっと笑いましたねー
笑顔のほうが可愛いですよー」


「…っ!
うるさい」

でもまあ
わたしは素直になるのに少し時間がかかりそうだ。




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