夕食の時にみょうじがぐずりながら飯食ってたから一体何事やと思ったらどうやら家に帰れなくなったらしい。慰めてる鳳がまるでオカンだったで。
しかしみょうじはもうずっと泣いてたけど合宿所に留まると聞いてウキウキな奴が若干名おるわけで。

「ちゅーわけでなまえちゃんを慰めに部屋に突撃するで」
「何で俺まで……」
「なまえちゃんは日吉くんみたいな辛辣な年下にベタベタしたがるタイプやと関係各社への取材で判明したんや」
「関係各社(氷帝学園テニス部部員)な」

俺と財前は白石に連れられみょうじの部屋の前まで来た。
みょうじがお泊り決定した時点で白石は興奮しまくってたけど……今も財前なんて巻き込んどるし。

「は?俺はダシっすか」
「財前……先輩の恋を応援してくれてもいいんちゃう?」
「何で俺が応援せなアカンねん。無残に振られればええのに」
「まあまあ財前、ここは応援してやるのもなかなかおもろいと思うで!」

肩に置いた手を財前が振り払う。ほんま塩対応なやつやな!心の中で悪態をつくと財前が俺をじっと見つめてくる。

「謙也さんはあの変人のこと好きなんちゃうんすか?」
「は!?そそそんなんちゃうわ!」

パシャ!

今写メった!?ほんま何で今ナチュラルに写メったん!?

「反応があまりに童貞臭かったんで」
「消して!今の消してくれ!」

財前に掴みかかってると白石に掴みかかられた。何やねんこれ男3人で乳繰り合ってるみたいやん!

「謙也、やっぱりお前なまえちゃんのこと好きやったんやな!?」
「あああややこしい!せやからこの前のは気の迷い……いや人生の迷いやったんや!」
「なっ……人生の迷い!?まさか俺と同じでなまえちゃんと結婚まで考えたんやな!?」
「お前もうちょっと話聞く奴やったやろ!?」
「先輩たちうるさいっすわ」
「お前が元凶だっちゅー話や!」

恋の奴隷と化した白石とそれをなだめる俺と更にそれを写メってる財前。財前ほんま覚えとれよ。口論も相当なボリュームだったように思うがその場に出てきたんはみょうじじゃなかった。

「お前らの声、すっげー廊下に響いてんぞ」
「おまんらもなまえちゃん目当てか?」
「ちょっと〜!待ってくださいよ!」
「!」

現れたんは立海の丸井と仁王。それと切原。今の丸聞こえか……これは……ほんま恥ずかしいわ。

「なまえちゃんに会う以外にここに来る理由なんてないやろ?」
「ぜーんぶ丸聞こえだったぜよ。白石はなまえちゃんにベタ惚れじゃな」
「将来だって考えとるしな」
「式はどこで?」
「ハワイ」
「着せたいウエディングドレスは?」
「なまえちゃんの愛らしさを邪魔しないシンプルなAライン」
「結婚に必要なのは何スか?」
「祝福や!んんっ、エクスタシー!」

パシャ。
……せやから財前、こんな白石撮ってどないすんねん。

「せやからなまえちゃんとハートフルな時間を過ごすのは俺たちや。ほんま堪忍な」
「そんな権利お前にはないだろぃ」
「そっすよ!俺せっかく楽しみにしてきたんすから!」
「ちなみにどうやってハートフルな時間を過ごすつもりなんじゃ?」
「ババ抜きや!」
「出たッ!四天宝寺中が誇るミニゲーム『ババ抜き』!圧倒的好感度UP!TRUE END間違いなしやで!」
「いいっすよね先輩方は」
「財前いじけんといて!」

せやけど前に一回ババ抜きしたことあったなあ。いくら基本に忠実とはいえ、みょうじにそんな手が通じるんか?あいつ超気まぐれな自由人やし。

「ええー!俺達だって先輩と遊びたくてきたんすよ!」
「そうじゃ。せっかくツイスターゲーム持ってきたんに」
「ツイスターゲーム!?」
「ちゅーかツイスターゲームなんて持ってきてるん」
「それ俺も思った」

白石は妖しい笑顔の仁王をちょっと羨ましいという目で見ている。確かにちょっと俺も羨ましいで。

「相手がみょうじさんやから?」
「せやな……ってちゃうわ!人の心勝手に読むな!」
「声出てましたよ」
「なまえちゃんと際どい体位で遊べるぜよ」
「際どい体位!?」
「おい体位とか割と洒落にならねーからやめろ!」
「ピヨッ」
「みょうじせんぱーい!開けてくださいよぉ」
「切原くん!まだこっちで大人の話し合いが終わってないからちょっと待ってや」

「クスクス、その話し合い僕も混ぜて欲しいな」


2016/9/16修正

私は深夜に何をカイトルンダ。
しかもタイトルも適当だとぉ!?
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