「なまえちゃん……また迷惑メール転送してきおった」

日吉の七不思議談義以来、 みょうじはテニス部レギュラーの全員と知り合いだと発覚した。別にやましい気持ちはアイツに限ってないだろう。とにかく みょうじは何も考えていないからだ。

「忍足はなまえちゃんとどんなこと話してるの?」
「最近は艦これの話やな」
「なんだかんだ仲良いんだな」
「なまえちゃんおっさんみたいやで」
「俺そんなに艦これ知らないC」
「ジローは何の話しとるん?」
「お菓子かドラえもんだC」
「いいですね……先輩たちは」
「日吉は何の話を?」
「ほとんどお兄さんの文句ですよ」
「日吉はいいなあ」
「何でだよ」
「俺はピアノや音楽の話ばかりだけど……愚痴を聞いたりなんて……なまえさんと仲良くなれてる気がするよ。
そうだ!宍戸さんはどんな話してるんですか?」
「俺はロックの話をよくするな。 みょうじらクラシックだけじゃねーんだよな……守備範囲広いぜ。あとは担任の小林の愚痴とか、まあ みょうじは藤田の話ばっかだがな」
「一番まともやな」

……連絡を取り合ってるだと?

「お前ら……みょうじの連絡先知ってるのか」
「当たり前だC〜」
「あ、もしかして跡部さん……なまえさんに連絡先教えてもらってないんですか?」

つーかお前ら知ってるのかよ。元々友人だった鳳と日吉と向日はともかくだ。

「忍足!そういえばお前いつの間に仲良くしてんだ」
「男の嫉妬は見苦しいで」
「うるせぇ。取り敢えずみょうじの連絡先教えろ」
「本人に聞きーや」

なまえちゃんの許可なしに教えられんし?と忍足はご丁寧に理由を付けてくる。……確かに最もだ。

「忍足さんはなんだかんだでなまえさんも許してくれましたけど、ほとんど盗んだも同然じゃないですか」
「おい忍足」
「……」
「心閉ざしやがったな…」

……忍足覚えてろよ。

「取り敢えずみょうじに直接聞いた方がいいぜ」
「それは分かってる」

そもそも多数の雌猫に連絡先を聞かれることは多かったが、一女子のを自分から聞いたことはねえ。
なんかプライドが許さねえ。特にみょうじに対しては、アイツがバカなせいなのか尚更だ。

「プライドがどうとか〜とか思ってるんだろ?無理だぜ」
「どういうことだ?」
「滅多に聞かないからな。アイツのアドレス帳の登録人数、25人だぜ」
「25だと!?」
「そもそも名前も覚えないですしね」

最近は宍戸とジローと侑士と樺地が増えたからそろそろ30に乗るぜと向日は指折り数えていく。

「樺地……お前みょうじの連絡先知ってるのか?」
「ウス……みょうじさんに……聞かれたので……」
全員が樺地を見た。
流石樺地、あいつが心を開くのも当然、ってそういうことじゃねえ。

それ俺様だけ知らねえってことだろ!
俺様……キングだけが知らねえなんて許されねえ!

「みょうじはジローと宍戸と同じクラスだったな」

「そうだけど……跡部お前」
「仕方ねえ……聞きに行ってやるよ!俺様直々にな!」



2016/9/7修正

長くなる予感の前に切るクセを付けておく。

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