ちびみや!1



「おい、起きろ高尾!」

鼻をつんつん、と誰かにつつかれる感覚に、高尾は目を覚ましました。

「んー……みやじさーん……鼻つつかないで下さい……」

今何時なんだろ……と、重い瞼を開けぼやける視界の中時計を見ようとして、高尾は固まってしまいます。

「え……宮地さん?」

重たかった瞼は一気に軽くなり、目の前で起こっている現実を受け止めようと一回目を擦ってみました。

「なにこれ、夢?」

目を擦ってみても現実は変わらずそこにあり、思わずそう口をついてしまいます。

「現実だあほ」

呆れながらそう言う宮地さんは、191cmある長身のはずですが、何故か5cm程に小さくなっていました。

「え? なんでちっさいんすか」

高尾はがばっと起き上がり、枕に立つ宮地さんを見下ろします。

「俺が聞きてーよ」

イライラとしながら宮地さんは高尾を見上げ、高尾が何か言ってくれるのを待ちました。

「昨日精子出しすぎたんじゃないっすか?」

本気なのか寝起きだからなのか、高尾は訳の分からない事を言っています。

「おっまえ……」

ありえない、と続ける前に宮地さんは面倒になり、この状況を受け入れる事にしました。

「とりあえずデカくなるまで頼むわ」

そう言う宮地さんに、高尾は心の中でおもしれー! なんて不謹慎な事を思いながら返事をします。

こうしてちびみやと高尾くんの生活が始まりました。







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「とりあえず高尾、なんか着るもんねえ?」

昨夜愛し合った二人はそのまま裸で寝てしまい、高尾が床に落ちていたパンツをはく姿を見て宮地さんは思い出したように言いました。

「着るもんって……何着れます?」

床に落ちた服も身に付け、高尾は改めて宮地さんと向き合いながら聞いてみます。

「あー……なんか適当に……とりあえず隠せれば何でもいい」

「確かにフルチンは厳しいっすよねー」

うんうん、と頷きながら宮地さんの股間を見てしまい、高尾は思わず可愛いと思ってしまいました。

ニヤけそうになる口許を抑え、高尾はとりあえず……と思い立ち上がります。

「ちょっと妹ちゃんの部屋行ってきますね」

もしかしたら人形の服とかあるかもしれないと思い、高尾は妹の部屋へ向かいました。

「嫌な予感しかしねー」

小さくなった体に、明らかに楽しんでいる恋人。

宮地さんは大きく溜息を吐き出しました。




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