ちびたか! 3夜、高尾は宮地さんの腕の上で一緒にテレビを観ていました。
「く、あぁ〜……高尾、寝るぞ」
欠伸をかみ殺しながら宮地さんはそう言うと、電気を消す為に立ち上がります。
「宮地さ〜ん俺どこで寝ればいっすか?」
「ん?」
宮地さんは高尾の質問に暫し考えてから、ベッドの横にテーブルを移動させました。
「潰しそうでこえーからココで寝ろよ」
宮地さんはテーブルの上にタオルを敷くと、簡易ベッドを作ってあげます。
「はは、潰されるのは勘弁なんでそうさせて貰います」
寝床が決まった高尾は、笑いながらテーブルの上へ移動しました。
「消すぞー」
宮地さんの言葉と共に部屋が暗くなり、宮地さんはベッドに大の字でダイブしました。
「あ、そーだ」
高尾は何かを思い出すと、トテトテと歩き、宮地さんの元へ向かいます。
「なんだよ……」
高尾は宮地さんに近付くと、一生懸命よじ登りました。
高尾の行動が読めず、宮地さんは眠い目を必死に開けながら高尾の行動を見守ります。
「ふぅ……」
漸く登れた高尾は、宮地さんのほっぺで一息吐きました。
「おやすみなさーい」
高尾はそう言うと、宮地さんの唇にちゅっ、とキスを落とします。
「……上唇か下唇にしかできねぇ」
高尾はちょっと不満そうにそう言うと、上唇と下唇両方にキスをしました。
「……お前……」
おやすみのキスが出来て満足したのか、高尾はへへ、と笑うと宮地さんから滑り落ちます。
そしてトテトテと自分の寝床へ向かいました。
「高尾……おやすみ」
宮地さんは高尾に言うと、高尾に背を向けて寝てしまいます。
高尾はちょっと寂しいと思いましたが、気にせず寝に入りました。
「……くそっ」
高尾の寝息が聞こえ始めた頃、宮地さんは起き上がって舌打ちをしました。
「……あんま可愛い事すんじゃねーよ」
宮地さんは寝ている高尾に向かって呟きます。
そして高尾が起きないよう静かにトイレへ向かうのでした。