祭り(ほのぼの)

今日は国を挙げての祭典の日。人々は豊作を祈り、酒食に明け暮れる。
が、皆出掛けたはずの暗い城内に太公望一人。

「なぜわしが治水工事の予算まで考えなければならんのだ。軍師の仕事ではないではないか…」

くそ、姫発のやつめ…。
祭りの日だからって真っ先にナンパに繰り出しおって、これはお前の仕事じゃ!

「スープーも薄情な奴よのう…」

わしを置いて先に行ってしまうし。武吉は家族のもとに帰ってしまったから。

「あーわしは孤独じゃー」


コンコン、と窓を叩く音がした。
ふと見ると天化がぴょこんと窓枠に身を乗り出していた。

「スース」

「天化!先に行ったのではなかったのか?」

「いーや、スース一人置いて行けねえからよ」

寂しかったっしょ?と無邪気な顔で言われると、んな訳あるか!と意地を張ってしまう。

「仕事早く終わらせて祭り行くさ」

「うむ」



待っていてくれる人がいるっていいのう



2011/07/24

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