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06.驚いた理由と
自分の気持ちに気付かない
「まーさーむーねー学校いこー!!!」
朝誰かに起こされた。
政宗だと思って、顔面パンチを寝ぼけ混じりに食らわしたら、母さんだったからびっくりした。
何よりも、毎日のように起こしに来るはずの、政宗がいなかったのがびっくりだ。
まだ寝てると思ったわたしは、政宗の家に行った。
部屋を見ても反応はなかったし、こじゅも朝早くに家を出たと言っていたので、学校に行った。
「あ、」
下駄箱で上履きを履き替えて、教室へ向かおうと階段を上がっていると、二階の階段のはしで、政宗と一昨日の女の子が楽しそうに話していた。
ああまた胸が苦しくなってきた。
「よぉ名前、」
「あ、元親……。」
「只でさえ、さえねぇのに、何さえねぇ顔してんだ??」
「うんそんなに死にたいんだね。はい死刑決定。」
「え、ちょ、真顔で冗談本気でヤメてく「それよりもあれ見て!!わたし目撃しちゃったよ!!」
わたしは気を紛らわすために偶然きた元親をいじり、政宗と昨日の女の子が話してるのを、見せた。
「え、あいつまじかよ。それにしてもえらく可愛い子捕まえやがったな。」
誰が見ても、ふわふわしてるあの子。
別に僻んでる訳ではないけど、なんだかいつも一緒にいた政宗と元親に裏切られた気分。
それに美男美女って感じで、すごく絵になる。
そう思うと、わたしの胸の痛みは一層強まった。
「本当にあの子可愛いよね……。」
「名前おまえ………」
元親が驚いたような表情になった。
「なに??」
「……いや、なんでもねぇ………。」
「??」
驚いた理由と自分の気持ちに気付かない
(アイツの顔苦しそうだった……)
(やっぱり政宗への気持ちに気付いてねぇな。アイツ)
20100414
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