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07.嘘吐き







大好きだよ
大好きだよ
言葉に表せないくらい
貴方が大好きなんだよ



「ただいま・・・」
「あらおかえり。アレンくんが名前を探しに来てたわよ。」
「・・・うん。さっき会った。」



貴方は私の事考えて家にまで訪ねて来たんだね・・・・。
アレンは優しすぎるよ。
私は再び涙が溢そうになった。
必死に絶え、部屋へ向かった。



「アレン・・・アレンッ・・・・・・」



−ピリリピリリッ
 


「!?誰かから・・・電話・・・」



今は誰とも
会いたくも話したくも
無かったのに・・・・・・
私は深呼吸をして携帯を手に取った。



「・・・もしもし。」
<<・・・名前・・・ちゃん?>>
「雅・・・ちゃん」



一瞬時が止まったかのように思えた。
あの子からの電話・・・。
きっとアレンの事なんだろな・・・。



<<好き・・・だったんだよね・・・。アレンのこと・・・。>>



−ドクンッ



電話なはずなのに、すぐ隣で話してるような緊張感が漂っていた。



「・・・・・・・・うん。」
<<・・・ごめんね。
私・・・名前ちゃんの気持ちなんか考えもせずに・・・アレンと仲良くして・・・。
・・・・・・名前ちゃんを苦しめてたなんて・・・。>>



あの子の声は涙を堪えるようで、小刻みに震えていた。



「アレンから・・・話聞いたの・・・。
ごめんね・・・私全然自分の事しか考えてなかったよね・・・。」



なんであなたが謝るの・・・?
あなたに何も罪は無いじゃないの・・・
謝らなくちゃいけないのは私なんだよ・・・。



「雅ちゃん・・・そんな事言わないで。」
<<・・・え?>>
「あなた達のせいじゃないよ。
私の勝手な片想いなだけだよ。
・・・だから、別に2人は仲良くしてていいんだよ。
・・・恋人・・・でしょ?恋人が仲良くなくてどう・・・するの・・・?
・・・だから・・・・・・・だから・・・そんな事思ったり言わないで・・・。
私は・・・大丈夫だから!」



息が苦しい・・・。
あれもこれも全部何もかも真っ赤な嘘。
何も・・・
大丈夫な訳ないじゃん・・・。
2人が仲良くしてて、大丈夫な訳無いよ・・・。

今だってこんなに泣きたいのに・・・・
今だって2人を羨んでるのに・・・
今だって・・・・・・・



こんなにこんなにアレンが好きなのに・・・



「これからも3人仲良くしよ。」



それが精一杯出る声。
私は電話を切った。



辛いよ
苦しいよ
嘘ばかりな毎日が当たり前の様になってくよ
いつの間にか・・・
私自分の本音を言う方法も
何かを諦める方法も・・・


自分の本当の笑顔を浮かべる方法も
忘れたよ・・・
ただ泣く事しかできなくなったんだよ



−チチッ



私はカッターを取り出した。
これが・・・
嘘つきの自分へ出来る精一杯の罰。



−ガチャッ



「名前っ!!!」
「リナ・・・リー・・・・・・?」
 


−パンッ



リナリーは私の部屋に乗り込み、頬ぶってきた。



「名前の馬鹿!!
自分一人で背負い込んで自分を傷つけようとしないでよ!!!」



リナリーは肩を小刻みに揺らして私を抱き締めた。



「私は名前の親友なんだよ!!??
辛いなら・・・苦しいなら・・・壊れそうなら全部全部私に言えばいいじゃない!!
私は名前の味方なんだから!!!
こんな名前・・・もう見てるのが嫌なの・・・」
「リナリー・・・うっ・・・ひっク・・・ごめっん・・・・・・」



私はただリナリーを強く抱き締め、ただ泣きわめくだけだった。
今の本音を表すにはそれしか方法が無かったから・・・




2009.10.22






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