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06.不安







「・・・・・・いない・・・?」
「そうなのよ。今日はバイトの日でもないのに・・・一体何処行ったのかしら・・・」



名前は家にはまだ帰ってなかった。

名前・・・!



「ごめんなさいね。」
「いいえ、教えてくれて有り難う御座います!!」



僕は名前の母親に一礼して探しに行った。


 


「!」



僕が公園の前を通ってると、力なくブランコに座ってる名前がいた。



「名前!」



僕は近づいた。
僕はある事に気付いた。
もう何時間も泣いていたんだろう・・・名前の目は真っ赤に腫れていた。

僕のせいで名前がこんなんに・・・・・・
僕は無性に自分の行動に腹が立った。



「アレ・・・ン・・・・・・」
「名前ごめんっ!!本当にごめん!!!」
「・・・謝らなきゃいけないのは・・・私のほうだよ・・・・・・。」



そうだよ・・・
彼の気持ちを知ってるのに、好きになって、告白したかと想ったらその場から逃げて。
今もこうしてアレンを追い詰めてる。
最低だよ私は・・・

ごめんね、アレン・・・・・・・・
でもね、もう後戻りは出来ないから・・・



「アレン・・・私アレンが好きだよ・・・。すごく好きです・・・。」
「・・・・・・・・・・・」
「彼女が出来たんだからって諦めようとしたよ・・・。
でも私馬鹿だから、アレンに微笑まれるとあるはずの無い可能性を信じて・・・。
結局・・・今もまだアレンが好き・・・で・・・・・・」



あふれ出した想いが止まらない・・・



「アレンは知らなかったろうけど、私ね貴方がモテ始めて、好きって分かったの・・・。
あの日あの子と付き合うって言われた時、調度告白するつもりだった・・・。
でも貴方達の姿を見てできなくなった・・・・・・。
ううん。しちゃ貴方達の幸せを壊すって想ったの・・・」



何言ってんの・・・
アレンに嫌われたよ・・・・・・・・



「・・・アレン・・・もういいんだよ。私も言えてスッキリしたよ。・・・だからお願い・・・自分を責めないで・・・私が悪いから・・・」



名前はそう言って公園の出入口へ向かった。



「ごめんなさい。」



あの言葉が僕に言った最後の哀しい言葉だったのかもしれない。
その声は、小刻みに震えていて今にも消えそうなくらい、小さく弱弱しくて哀しかった。

僕は彼女を傷つけた・・・
なんで・・・・・・・・・


ちくしょう・・・・・・





≪どうしたの?アレン≫
「・・・・・・・・・・・・」



僕はいつの間にか手に携帯を握り、雅に電話をしていた。



≪アレン・・・?≫
「雅・・・会いたいです・・・・・・」
≪え・・・?・・・分かったけど・・・今何処にいるの・・・?≫
「・・・公園・・・灰雲公園・・・・・・」
≪分かったわ。≫



雅は暖かい声で言ってくれた。





「アレンっ!!!」
「雅っ!」



僕はただ雅をキツく抱き締めるだけだった。



「・・・・・・・アレン・・・・・・?電話の時から想ってたけど・・・どうしたの・・・?」
「雅・・・僕はどうすればいいんですか・・・・・・?」
「アレンッ!? 変だよ・・・何があったのか教えて・・・!」



何があったんだ・・・

そんなの知らない・・・・・・

僕は・・・・・・

もう自分がどうすればいいのか・・・・

分からないんだよ・・・




2009.10.22






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