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04.零れ落ちた本音







いつの間にか私にとってアレンは

愛しくて

暖かくて

それでも悲しくて

苦しくて

私を狂わせる存在だった。


恋ってこんなに疲れるんだ・・・
もう頭ン中に色んな感情が入り混じって、グチャグチャだよ・・・


神様よりも・・・

あの子よりも・・・

アレンよりも・・・・・


叶わぬ恋をまだ追い続け自惚れてる自分が、憎くて哀しかった。
そんな惨めな自分が嫌で泣きたくなった・・・。


でも今私の隣にアレンがいるんだ・・・。
また2人で掃除当番になって。
いつもなら、笑いあってるのに・・・
気まずくて逃げたいと思った・・・。



「・・・あの名前・・・」



彼が話しかけて来た。
私は怖くて、彼と反対の方向を向いてた。



「・・・なに?」



嫌だ・・・
嫌だよ・・・・・・
聞きたくない・・・



「あの時、名前の前であんな事して・・・本当にごめんなさい!」



嗚呼
きっと貴方は今頬を赤く染めているんだろうな・・・



「私こそ・・・2人の邪魔・・・してごめん・・・ね。」



目頭が熱くなって、息が詰まってきた。



「泣かないでください。悪いのは路上であんな事した僕ですから。」



そう言って、彼は大きな手で私の頭に軽く触れた。


ずるいよアレン・・・・・・



「もう掃除お渡し早く帰りましょう。」



想ってもないくせに私に優しく微笑むから・・・
私は馬鹿みたいにまた、ない可能性を信じるんだよ・・・



−クイッ



「?名前・・・?なんで泣いてるんですか・・・?」



馬鹿・・・

もう抑えられないよ・・・・・・





「・・・・・・好き・・・」



「・・・え・・・・・・」



一瞬私たちの間で時間が止まった様だった。
私は我に返り自分の言葉に悔やんで、どうしようもなくて



「ごめん・・・」



怖くて、苦しくてその場から逃げた。



「ちょっ、名前っ!!」



−ドンッ



「わっごめんなさ・・って名前・・・チャン?」



何も知らないあの子は走っていく私を、不思議そうに見つめていただろう・・・。



「アレン・・・名前ちゃんと何かあったの・・・?」



雅が教室に入ると、そこには呆然と立っているアレンがいた・



「なんでも・・・ありません・・・」
「?」





嫌い・・・
嫌い・・・
大っ嫌い・・・!

私の馬鹿
なんであんな事言ったの・・・?
諦めたくて仕方無かったんじゃないの・・・?
アレンを・・・混乱させたく無かった・・・。
たとえ想いが届かなくても、親友ではいたかったのに・・・

アレンに・・・
冗談でしょって笑って流してほしかった・・・
なのに彼は・・・



「ひっ・・・くっ・・・うっうわああああああああああああああああ!!!」



私は止まらない涙・・・溢れる感情が虚しく
その場に泣き崩れた。

もう何も出来ない・・・





2009.10.22






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