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02.思い出
彼に衝撃の事実を告げられたのは、去年の冬
あの頃からアレンは人気があった。
私はリナリーの言葉によって、ちやほやされてるアレンに対する感情の理由を知った。
<好き>と言う一言を。
そしてリナリーから、バレンタインデーに告っちゃいなって、進められ告白しようと、アレンを探していた。
「あっアレン・・・・・・」
私はアレン。とその隣にいる女の子を発見した。
2人は頬を桃色に染め、ギュッと手を握っていた。
「名前・・・僕ずっと好きだったこの子と付き合う事になりました・・・。」
彼は、俯きつつも、今まで見た事の無いような笑顔で言った。
私が初めて聞く言葉
ずっと好きだったこの子と付き合う事になりました
ズット好キダッタコノ子ト付キ合ウ事ニナリマシタ
ズットスキダッタコノコトツキアウコトニナリマシタ・・・
私の脳裏では、今でも彼の言葉が、表情が焼き付いて、グルグル回り響いてる。
2人の幸せそうに微笑む姿を見て、自分の持っていた初めて作るチョコをとっさに、隠した。
「うわー私より先に恋人作りやがって・・・羨ましい!!」
ねぇ、私ちゃんと笑ってるかな・・・?
そう思いながら、彼の胸にパンチを入れた。
「じゃあ先行きますね」
「うん。バイバイ」
私は、手を握って歩き出す2人に手を振った。
ぽたぽた
ぽたぽた
「あ・・・れ・・・?何で・・・だろ・・・涙が・・・止まんないや・・・っ」
私の目には大粒の涙で視界がボヤけていた。
<<ずっと好きだったこの子と付き合う事になりました>>
初めて見た、彼の笑顔
少し頬が赤くなって幸せそうで、それでもあの子を守ってやるという様な、凛々しい表情で笑っていた。
そう。
<男の子>の笑顔で。
すごく甘い声で。
そんなあの子にしか見せないあの笑顔が、愛おしくて憎くて苦しくて・・・
もう自分の気持ちを抑えられず、ただただ静かな廊下で泣いていた。
2009.10.22
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