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01.片想い







「おはようございます。名前」
「おはようアレンッ」



いつもの様に登校して、いつもの様にアレンと笑顔で話して、いつもの様に私も微笑み返して
いつもの様に・・・





「おはよう名前チャン!アレン」
「おはよう雅チャン。ほらっアレンッ愛しの彼女が来たんだから、早く2人で学校行きなよ!!」
「うっうるさいですね!!!」
「じゃあ先行ってるね。」
「うん」



アレンの彼女が話しかけてきて、私は2人を先に行かせ、後姿を見守る・・・。

あ、手繋いで可愛いな・・・。


あの子は私の知らないアレンを知ってる。
教室でアレンが照れたり微笑んだりしてるけど、
あの子の前で同じ仕草をしても、雰囲気が違うの。

しいて言うなら、「男の子の顔」。

ほら、今だって手繋ぎながら、私の前では出さない笑顔を浮かべてる。


私は彼を想っている。
だから人一倍彼の仕草に、敏感になる。
それは、私とアレンが親友だから。
それは私とアレンが過ごす時間が長かったから。
だから、彼女ができたって、あの子の手を握りながら、私に一番最初に話した時は、頭が真っ白だった。






「早く諦めちゃえばいいじゃない。」
「でもさ、諦めたいのに諦めきれない・・・。」



こんな気持ちを全部出せれる唯一の親友、リナリーの言葉は私の心に響いた。


けど、なんでだろ・・・
諦められない・・・。



「あ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!なんでぇ!!?なんでまた私達が、掃除当番なのぉ!!??」
「名前元気出してください・・・ジャンケンで決まった事ですよ。
仕方ないって・・・なんで僕等ばっかり負けるんだああああああああああああああああああ!!!」



アレンは資料室の窓を思い切り開けて大声で叫んだ。



「ティッキーの阿保〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!」
「このビン底ホームレス教師いいいいいいいいいいいいいいいいい!!!」



私達は、こだまする叫び声を聞きながら、微笑み合った。



「アレンー。」
「んー?」
「雅チャンとはどう?」



アレンは私の言葉に激しくズッコケた。



「どどどどどどうって、ふふふふ普通ですよ!//////」



あの子の話になると、動揺してすぐ顔を真っ赤に染めちゃってる。



「そうじゃなくってぇ、、、喧嘩とかしてないのって事だよ!!」



私は動揺するアレンに笑って言った。



「してませんよっ////////////」
「プッアレンったら、もやしのクセにゆでたこみた「名前?」・・・ごめんなさい」



アレンの黒い笑みでの阻止と共に再び掃除を始めた。





ねぇアレン・・・私知ってるよ。
さっきからアナタが、時計をそわそわしながら、何回も見てるの・・・



「アレン・・・雅チャンと待ち合わせしてるんでしょ?」
「えぇっ!?べべべ別になんもない「早く行きなよ。」
「でも名前が「私は暇人だから、あと残りの掃除やっとくから。」



嘘だよアレン・・・
行かないで・・・



「でもっ「アレン!!折角、可愛い彼女が出来たんだから、
今は掃除よりあの子を優先して!!女の子は大切にしないと駄目なんだから!!」



アレン・・・違うの・・・
この時間を優先して欲しいの・・・
時計なんて見ないで・・・
あの子を大切にして欲しいとか一回も思ってないよ・・・
私だけを見て・・・


そう思うと、さっきより胸の痛みが強くなった。

私は、それでも止めるのが怖くて無理矢理笑顔を作った。
アレンは少し遠慮がちに、手を振って教室を出て走り出した。



「私ってなんでこんな性格悪いんだろ・・・。」



私はふと呟き、校門を見た。
すると走ってあの子を勢いよく抱き締める彼の姿が見えた。
彼は微笑んでいた。





胸が締め付けられるほど、愛おしい笑顔で・・・



2009.10.22







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