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12.逃亡少女







真夏の一時は少し涼しい風に吹かれ過ぎ、
二学期に突入。
学校では口々に夏の出来ごとを語っていた。
私はリナリーと話しながら教室へと向かっているそんな時だった。



「うわー雅おめでとう!!」



隣のクラスの女子が騒いでた。
私は気にも止めていなかった。
まだ気にしていなかった。



−ガラガラ



「はよー「おいアレン羨ましいさ!!これでやっと童貞卒業じゃねぇか!!」
「っさいですね//////
そんな大音量で言わないでくださいよ//////」



こっちでも騒いでいた。
しかもあの子とアレンのことで。
私は妙な胸騒ぎを感じた。
ラビは近くにいる私とリナリーに気付きアレンと一緒に来た。



「なぁ名前リナリー!」
「何?」



嫌だ・・・・・・
聞きたくない・・・!
聞いたらいけない気がする・・・!



「アレンてば最愛の彼女としたんさ!!」
「ちょっとラビ!」
「「え・・・・」」



私の頭の中の時計の針はカチッと止まった様だった。

嗚呼悪夢なら早く覚めて。
誰か嘘だと言って



「名前・・・・・・」
「あり?名前何泣いてんさ?」



ラビの言葉で我にに頬につたる濡れた感触に気付く。



「へっ?あ、ううん・・・目に大量のゴミが・・・」



とめどなく流れ落ちる涙を拭いてると不意にアレンと目が合った。
私はその場にいられなくなり教室を出た。



「名前・・・!!」



アレンは私を追いかけようとした。



「アレンくん今アレンくんがいっても、名前が辛くなるだけだから・・・」



リナリーはアレンを引きとめ名前を追いかけた。



「何があったんさ・・・?」
「・・・馬鹿兎が・・・」
「えっへぇえ!!??俺何もやってねぇさ!!!」





聞きたくなかった・・・
キスしてる場面の次はキスの以上のことをしたことを聞いてしまった・・・

なんで・・・・・・
アレンとあの子の話なんてこりごりだよ・・・・・・
もう嫌だよ・・・・・・
なんでこんな恋しなきゃだめなのよ・・・・・・?



「名前!!」
「リナ・・・リー・・・」



私が最後まで言う前に彼女はぎゅっと抱きしめてきた。



「もう・・・もう私っ・・・嫌だよ・・・・・・。
あの二人の話なんてっ・・・聞きたくないよ・・・・・・」
「うん・・・うん・・・」
「なんでっ・・・もうアレンにっ会わせる顔がないよ・・・・・・」
「うん・・・・・・」
「また・・・アレンを傷つけた・・・っ
笑って聞き過ごしてたかったよぉ・・・・・・」
「うんうん・・・・・・」



彼女は私の胸の中でただ泣きながら・・・話をしてた・・・・・・
私は名前が苦しんでるのに何も出来なくてただむなしくて涙がでた・・・・・・



「リナリー・・・・・・」



「強く・・・なりたかったよぉ・・・・・・」



嗚呼神様・・・・・・

強くなりたかった・・・・・・

私は弱くもろく醜い汚れた人間です・・・・・・

逃げてまた彼を傷つけてしまって・・・・・・

今度こそもう彼と話できない・・・・・・



私を縛るもの全部解して・・・

自由にさせて・・・・・・





2009.10.22






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