short | ナノ
ありがとな/土方
朝。自室にて俺と彼女と二人。
寝起きが悪い俺は、朝早くに幼馴染みであり彼女である名前に、無理矢理起こされて、その上部活三昧なGW唯一の休日なのにということで、とにかく不機嫌極まりねぇ。
「ひーじかったくんっ」
「…」
「とーしろーくん」
「…」
「…と、とーしろー??」
「………」
「と、とっととし……応答願います。」
そろそろ謝ればいいのに、このアマムカつく。
「ああっもうトシ最悪だ!!!
せっかく今日トシ誕生日だから、早くに起こしてあげて、デート行こうと思ったのに!!」
誕生日……??
いやいや俺五月五日だったか……??
……そういえばそうだ。
じゃあ名前は俺のために……
「もういいもんっ!!わたし帰る!!誕生日おめでとうっ!!」
不機嫌なのに、おめでとうとちゃんと祝ってくれるのが、彼女らしい。
気付けば、俺はそんな彼女を自分の腕の中に納めていた。
「今日は俺の好きなとこ連れていけよ。」
「……バカ。んなの知ってるし。」
「じゃあ俺準備するわ。
あ、………」
「なによ。」
ふてくされている、彼女に唇を重ねてやった。
「ありがとな、」
真っ赤になって硬直する彼女を、置いて部屋に戻った。
ありがとな
土方さん誕生記念
20100505
← →