short | ナノ
溶けたキャラメル/沖田





なんでぃ。
俺という彼氏がいるのにあのマヨといやがるし、笑ってやがる。
あのマヨまで笑って余計苛々する。
ムカつくムカつくムカつくムカつく。
このもやもやした気持ちは何なんだ。
俺は苛々を忘れようと、愛用アイマスクをして寝る態勢になったがなかなか寝付けなかった。
ただ脳裏に浮かぶのは、笑顔で話していた彼女とマヨだけだった。
消そうとしても、こびりついた様に離れなくて、もやもやと苛々が増すばかりだった。





あーやっぱり土方さんっていい人だ。
なんだかんだ言って土方さんも総悟が大切なんだな。
明日が楽しみだな。



「土方さん本当に有り難う御座います。今度お昼ご馳走しますね。」

「あぁ、楽しみにして「楽しそうですねぃ。なんですか?付き合ってるんですかぃ?」

「そ、総悟!?」

「いやこんな真っ昼間から熱すぎて見てられねぇでさぁ。」

「なに変な事言ってやがんだ。」

「別に変なことなんて言ってねぇでさぁ。」

「変だよ。なんでわたしが土方さんと付き合うの?わたしは総「うるせぇ。土方コノヤローとイチャイチャしてたくせによくいいまさぁ。」


何言ってんだ俺。


「俺ぁもう行きまさぁ。二人でイチャこらしてろぃ。」

「総悟ぉ……」


何泣かしてんだ俺


「総悟待ちやがれ!」


自分の嫉妬で好き勝手して本当に俺ぁ訳分かんねぇ…。

そう思い歩いていると、背後から抱き締められる感覚がした。
誰なのかは分かってる。
でも素直になれず振り向けない。



「総悟!違うの!だからそんなこと言わないで…嫌いにならないで…。」

嫌いになる訳ねぇだろ…
俺は振り向き、泣きじゃくる彼女を抱き締めた。



「……ごめん。」

「総悟……。」

「あんなヤローといるとこ見て嫉妬しちまった。情けねぇでさぁ……。……俺が名前を嫌いになる訳ねぇだろ。」



そう言って、彼女を抱き締める力を一層強めた。



「そ、ご苦し、…ん」



苦しそうな顔をしている彼女が愛しくて、唇を重ねた。



「…ぷはっ」

「好きでさぁ……。」



そう言って、彼女の鼻に口づけをした。



「総悟なんだか素直だね……。」

「……別に。」

「土方さんと話してたのは、これ総悟に渡すためなんだ。」



そう言って、彼女手作りのストラップだった。



「んな可愛らしいもん恥ずかしいでさぁ。」

「わたしとお揃いだからつけてよ。」



上目遣いされたらつけるしかなかった。

「好きだよ総悟。」

「………っ」



俺は照れ隠しのために、再度キスをした。





2009.12.23







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