yasumonoNIHAgotyuiwo | ナノ
※性描写有り


 がちゃり。鍵の開く音が聞こえて私はドアを開ける。あれから私は赤也と一緒に家に帰ってきた。想いを伝え合ってからは赤也がすごく恰好良く見えてしまって、帰ってくるまでも五回くらい見惚れてしまいその度にデコピンされて「犯すぞ」なんて言われる。だけどそんなの照れ隠しだって分かってるから余計に嬉しくなって、とにかく早くあの家に帰って赤也と笑い合いたい。そんな気持ちで一杯だった。

「あのね、赤也」
「何だよ?」
リビングに入りソファに寝っころがった私は、もう一度赤也に謝ろうと思い口を開く。赤也はブレザーを脱いでシャツ一枚の姿になっていた。片手にはバスタオル。どうやらお風呂に行くようだ。

「ほんとに、ごめんね」
「…もう良いって。俺だって悪かったんだし。っていうか俺がほとんど悪かっ
「そんなことないよ!」
がばりと起き上がって大きな声で否定した。赤也は拍子抜けしたみたいな顔して私を見る。
「わ、私ね、赤也が私のこと、たっ大切に想ってくれてたのも知らずに、勝手に怒ったり赤也のこと最低だなんて思ったりして、本当にね、――っ!?」

言い終える前に赤也が私を抱きしめた。赤也の少し冷えた体が強く私に密着して、心臓がバクバクとうるさく騒ぐ。本当に、どうにかなってしまいそうだ。
「ほんとに、もう、十分。そんだけ俺のこと気に留めてくれてんなら、それだけで嬉しいから」
「っあ、赤也…」
「明日さ」
「え?」
「学園祭、二日目やるだろ?」
「あ、うん」
「一緒に回れ」
「…え、い、良いの?」
「当たり前だろ」
俺達付き合ってるんだから。と耳元でそう言われて顔が真っ赤になった。赤也はケラケラと笑って「耳真っ赤」と小馬鹿にする。それさえも何だかすごく恥ずかしくて、赤也の肩に顔を埋めた。「いいよ、一緒に回ろう」そう返すと、赤也は「超嬉しい」と言ってまた私を抱きしめる。本当に、幸せだ。

「明日俺、お前のクラスまで迎えに行くから」
「うん、」
「待ってろよ?」
「分かったよ」
私が笑顔でそう言うと、赤也も笑った。もう一度ぎゅうっと手を握ってお互いの体温を確かめ合う。赤也はそのままお風呂に行って、私は夕飯の準備を始めた。



「おっ、オムライス?」
「うん。これ得意なんだよ」
「お前の料理なら何でも美味いけどな」
「っ!?え、あ、」
「何照れてんだよ」
「て、照れてないもん」
「照れてるだろ」
するりと腰を撫でられる。肩がびくりとなって、私は真っ赤な顔で赤也に「へ、変態」と呟いた。すると赤也は口角を上げて笑う。赤也がこうやって笑った後は、大抵ロクなことが起きないのを私は知っていた。

「あ、赤也、今オムライス作ってるから…ひぁっ」
「いいよ作ってて」
「やっ、包丁とか、危ないから…!」
「名前が我慢すれば良いだろ」
赤也は本当に馬鹿なんだろうか。包丁を持った女の子の耳を舐めるなんて危ないに決まってるのに。だけどそれでも抵抗できない私は赤也にゾッコンなのだろう。悔しいけど嬉しかった。私も馬鹿だ。

「り、料理終わってからじゃ駄目なの?」
「今が良い」
「っん、」
「名前だってその気じゃん」

そのまま赤也の手が服の中に入ってきて、背中をゆっくりと撫で上げる。私はムキになってそのまま包丁でにんじんをみじん切りにした。それに気付いた赤也は私のブラジャーを外して胸の突起を摘む。

「っあ、や、やめ…!」
くりくりと捏ね繰り回されて足が震える。赤也は首筋を辿るようにねっとりと舐めた。それさえも快感として私の体に纏わりつく。しばらく突起を弄んだ赤也の手は、スカートの中へと入り込んで布越しに秘所を撫でた。今度こそ体制が崩れそうになるが、赤也は「危ないだろ」と楽しそうに文句を言って私の体を支えた。いっそのこと床に崩れてしまいたくて、この快感から逃げ出したかった。

「名前、可愛い…っ」
ふっと息を耳に吹きかけられる。包丁を持った手がぶるぶると震えた。赤也の手が膣に入り込んできた瞬間、顔にボッと熱が溜まった。き、気持ち良いけど、でも、今はまだ。だって今はオムライス作ってるのに。
だけど赤也の手はそのまま膣内の壁を擦るようにして動く。びくっ、肩が大きく揺れた。
「イキそう?」
「っや、やあ、あっ、んんっ」
赤也の手がスピードを増して、ぐちゅぐちゅと私の膣からまるで泡でも立ったように卑猥な音がし始めた。私は恥ずかしくてたまらなくて包丁をぎゅっと握りしめる。びくん!一番大きく体が揺れて、頭が真っ白になった。それと同時に包丁を持つ手が緩んで、するりと手から抜けた包丁がそのまま床に落ちた。

「あっぶねェ!!」
赤也は私の体を後ろに引っ張り、私達はそのまま床に倒れ込む。ドスンと鈍い音が響いて、包丁が床に突き刺さった。それを見て私は顔を青くさせる。赤也が後ろに引いてくれなかったら、きっと私の足に刺さっていただろう。

「わ、わりい…つい夢中になっちまって、」
「赤也の馬鹿!あ、危ないって言ったのに…!」
「悪かったって…!」
「っ…でも、」
「え?」

私はそのままぎゅうっと赤也にしがみ付き、言う。

「守ってくれて、ありがとう」
「……名前、」
「、」
「愛してる」

顔を上げたと同時に赤也に口付けられて、どうしてか涙が溢れた。赤也も驚いて慌てながら私の涙をぬぐう。それでも涙が止まらなかった。嬉しくて、どうしようもなくて。私は赤也に守られてばかりで、それが、なんとなく、悔しくて。

「私も、あい、してる…世界で一番、赤也が好きだよ」
これからは私だって赤也を守ってみせる。


 20130102