bookshelf | ナノ
サイが風邪をひいたと聞いた。ナルトもサクラちゃんも忙しくてお見舞いに行けないと言っていたから私が行ってあげようと思いサイの家へと向かっている最中だ。きっとサイは私が行ったって喜ばないと思うけど。
 林檎を二つ持ってサイの家のドアを叩く。しかし返事はなかった。私は首を傾げる。
「サイ、大丈夫?」
やっぱり返事がない。だけど、ドアの向こうからドサッと何かが床に落ちる音がした。私は首を傾げながらドアノブを回してみる。
「あ、」
空いた。
え、これって大丈夫なの?風邪ひいて弱ってる時に限って無防備とか危なすぎる。私は「サイ、入るよ?」と声を掛けてからドアを開けた。

「!」
ベッドにはサイが寝ていた。静かな寝息と外から聞こえる鳥の声だけが響く部屋。サイらしいとは思ったが、なんだか寂しい部屋だ。私はふとサイの寝ているベッドの近くに本が落ちているのに気付く。私はヒョイっと本を開くいた。すると、
「っあ、ちょっと」
サイの切羽詰まった声に驚き動きを止めれば突然起き上がったサイに本を奪われてしまった。

「さ、サイ…起きたの?」
「…まあ、うん」
すぐさま無表情に戻ったサイ。私はそんなサイに少し戸惑いながらも口を開く。
「具合大丈夫?」
「うん。今日一日休めば明日には良くなるよ」
「そっか。ならよかった」
私が笑い掛ければサイは目線をずらして小さな声で言った。
「…わざわざお見舞いに来てくれたんだ」
「うん。私でごめんね」
ふざけたように言えばサイがハッとこちらを見る。思わず首を傾げた。
「別に、嬉しくないわけじゃないよ」
「え?」
「ちょっと…驚いただけ」
「、」
珍しいと思った。サイが驚くなんて。
 ふとサイの手に握られた本の表紙を見つめれば、そこに書いてあったタイトルに私は思わず言葉をなくす。
「…なまえ?どうしたの?」
私の表情を見てそう言ったサイの言葉に気付かず、私は小さな声でタイトルを口にした。
「い…意中の女性と親しくなるには、って……」
「!」
バッ。素早くサイが本を後ろに隠す。しかし見てしまった記憶を消すことは不可能だ。ちらりと控えめにサイを見つめ、そして非常に小さな声で問いかける。
「さ、サイ…好きな人、いるの?」
 サイの表情が明らかに慌てていた。サイは今まで色んな本を読んでいたけど、恋愛の本を読んでるサイなんて見たことがない。ましてやサイが誰かに恋をするなんて。まさかそんな。

「これは…その、」
サイが俯きながらそう言った。もごもごと何かを伝えようと口を動かす。こんなサイは初めてだ。
「わ、私誰にも言わないから大丈夫だよ!こう見えて口は固い方なの!」
私が自慢げに言うと、それまでベッドから動かなかったサイがギシリと音を立てて立ち上がる。私は何故か一歩逃げた。サイはそのまま私に近付き肩を掴んだ。つい体が強張ってしまう。

「…サイ?」
「何も分かってないんだね」
「え?」
「僕の好きな人は君だよ、なまえ」
「、」
え?なんて聞き返す余裕がなくなった。私を真っ直ぐに見つめるサイに声すら出なくて、ひたすら唖然とサイを見つめ返す。

「さっきまでこの本を読んでたんだけど…なまえが来たから慌ててベッドに入ったんだよ。本はその時に落としちゃって」
サイは作った笑顔を浮かべて私にそう説明する。いや私はそんなことが知りたいんじゃなくて。
「それで、返事は?」
「っ、え」
いきなりそう問われたものだから私は切羽詰った声で返してしまう。だけどサイはすぐに私から目をそらして続けた。
「あ。でもやっぱり返事は良いや」
サイは一人で納得したように頷く。
「なまえに嫌いって言われたくないしね」
「さ、サイ…」

知らなかった。サイが私を好きだということも、サイが人を好きになれたということも。サイとはよく話すし仲が良い。しかし私とサイにはどこか距離があると思い込んでいた。それこそ班も違うし私とサイが出会ったのは、サイとナルトとサクラちゃんが出会った後だ。
だけど私はそんなサイとの距離を縮めようと必死だった。この前だって一緒に出掛けたしサイの愛想笑いや作り笑いにも騙されなくなった。今日だってわざわざお見舞いに来たのは私がサイと仲良くなりたいからである。

「好きだよ、なまえ」
優しく抱き締められて心臓が跳ねた。サイの手がするりと私の背中を撫でる。私が吃驚してサイから離れようとしたら耳元でサイがとんでもないことを口にした。
「君を抱きたい」
「っ、!」
突然の言葉に私は更に吃驚した。それに、今のサイの言葉は嘘ではないんだと思う。だって、
「さ、サイ…」
「なに?」
「あた…って、る…」
さっきからサイの固くなった自身が私の体に当たっていた。私は真っ赤になった顔を隠すようにして俯く。するとサイがクスリと笑った。
「なまえが可愛いから興奮しちゃったよ」
「へっ、変態…!」
「なまえが悪い」
「!」
妖艶に笑うサイに思わずときめいた。心臓がバクバクと音をたてる。きっとサイにも聞こえてるんだろうな。
「でも…サイ、熱あるのに」
「僕なら大丈夫」
「だ、大丈夫なんかじゃ…!」
「大丈夫」
「っ、」
サイはもう一度私を優しく抱き締めて優しく囁いた。


「ッん、ひぁ…」
「目、閉じて」
「さ、サイ…!」
「痛くしないから」
「っ…」
私は言われた通りにゆっくりと目を閉じる。するとサイが噛みつくようなキスをしてきた。
「っん、う…っはぁ」
「……なまえ、好きだよ」
三回目の告白。静かすぎる部屋に恥ずかしいくらいの二人の吐息がやけに響いた。
「っ、サイ…んん、やっ、」
スカートの中に入り込んだ手が下着の中にまで入ってきた。私はビクリと肩を揺らす。サイの手が秘所を撫で上げた。全身を襲うような電気を感じて私はその場に崩れた。

「っは、ぁ…う、」
「なまえ、こっち」
「!」
ぐいっと手を引かれてベッドまで移動する。サイは私の上に馬乗りになって、私の頬をするりと撫で上げた。
「女性を床で犯すと嫌われるって本に書いてあったから」
「っ……ばか、じゃないの」
「何で?」
「、嫌いになるわけないじゃない」
「…!」
言った後に気付いた。私が今とてつもなく恥ずかしいセリフを口にしたということに。
一気に熱が集まった頬を見られたくなくて腕で隠した。だけどサイが私の腕を掴んで布団に押し付ける。
「隠さないで、ちゃんと見せてよ」
「っや、やだ、だって…っんぁあッ!」
まだ最後まで言ってないのに秘所を撫でられて情けない声が出る。陰核を強く擦られてビクビクと腰が震えた。

「や、やっんんッ、はぁ、あ、ああっ!」
「僕もだよ」
「っ、え…?」
「僕も君に何されたって嫌いにならない」
 手を止めずにそんな台詞を言うなんて卑怯だ。お陰で私はお礼の言葉ひとつも言えない。ただ口を開けば喘ぎ声。なんて辛い。

「さ、サイっ…あ、ひゃぁあッあっ、あ!そこ!やっ、やめ…!!!」
「本に書いてあったんだ、女性はここが好きだって。…どう?気持ち良い?」
胸の突起を摘ままれて捏ねられる。慣れてないサイの手つきが逆に快感に繋がっていく。恥ずかしいのに気持ちよくて、おかしくなりそう。飛びそうな意識を必死で保っていると、サイが私から手を離してズボンに手をかけた。頭が真っ白になる。

「痛くしないから、力抜いてね」
目の前に出されたサイの自身は大きく膨らんでいて、見てるだけで恥ずかしい。私が目を逸らすとサイはその隙に私の膣に自身を入れていく。
「っ――!あ、やっんう、う…!!」
「そうそう、力入れないで」
「だ、だめ…!サイ、だめ、むりっ…!」
「あとちょっとだから…っ我慢して」
「やぁあッあっんんぅ、ッひ…―!!」
ずぷり。生々しい水音が聞こえて、子宮口を刺激するサイの自身に快感が増す。全部入ったよとサイが言ったけど耳に届かなかった。私はただひたすらその快感に泣き、喘ぐだけ。

「んんッや、ぁあ、あッやぁあ…!ひっ、んンン!あ!あぁあっ!!」
「可愛い…かわいいよ、なまえっ…!」
サイの体がブルッと震えた。それと同時に子宮に何か温かいものが注がれる。滅多に見れない汗だくになったサイの顔。熱が上がってしまったのか、だいぶ辛そうだ。サイは嬉しそうに笑って「すきだよ」と呟いた。
「……わたし、も…好き」
「!…本当に?」
「うん、」
「…良かった…」
「!さ、サイ…?大丈夫?」
ぐったりと私の上に倒れ込んだサイの髪を撫でながらそう聞けば「大丈夫」と力のない声で返された。大丈夫そうには見えない。

「……っ、!」
ふと起き上がろうとしたら膣に感じた違和感に気づく。サイの自身がまだ抜かれていない。私は慌ててサイを起こした。
「サイ!ぬ、抜いて…っひゃあ!!」
「なまえ」
今の今までぐったりしていたサイが起き上がって笑顔で言う。
「2ラウンド目、しようか」
勘弁してください。


20130119
サイのせいでナルト再熱してしまって。サイだけに。…ハイつまらないですねごめんなさい。
サイって夢小説を書こうとするとすごく難しいキャラで、そもそも感情のないっていう設定で登場してきたサイをどうやって扱えば良いのかよく分からないので上手い言葉とか仕草とか見当たりませんでした。
愛を使って何とか書き上げたものの感情有り有りのサイになってしまった。これもこれでサイなんですけどサイ夢ってハードル高いですね…。