bookshelf | ナノ
※ちょっと過激




 最近、俺の彼女はすごく生意気だ。
教室になまえがいなかったからクラスメイトに居場所を聞いてみれば、どうやらなまえは保健室に行ったらしい。俺に何も言わずにだ。具合が悪いなら俺が保健室に連れて行ってやるし、看病だってしてやるってのに。なまえは普段から自分の気持ちをあまり口にしない奴だ。だからこそ具合が悪い時くらい頼ってくれても良いというのに。彼氏に頼らない彼女なんざ、これっぽっちも可愛くねえ。俺は苛々を抑えきれず荒々しい足取りで保健室に向かった。


 保健室に入るとどうやら先生は不在らしく、俺は奥から二番目のベッドだけカーテンが閉まっているのに気付く。おそらくなまえだろう。間違っていたらどうするかなど考えず乱暴にカーテンを開けると、そこにはやはりなまえの姿があった。

「………サボりかよ」
「あ、キョウジ」

ベッドに寝っ転がったなまえの手にはゲーム機が握られていて、そこからは小さくゲームのBGMが流れている。俺は深いため息を吐いて、ベッドの隣に移動した。

「キョウジだってよくサボってるでしょ」
「俺は良いんだよ」
「ふーん」
「何のゲームだよ、ソレ」
「…ふーん」
「おい」
「………え、なに?」

(クッソ、この野郎…!!)俺の話に耳を貸さずに右から左へと流していたなまえは、俺の不機嫌な声に気付き初めて俺に視線をやる。かなり元気そうな目だった。俺は不覚にも、具合が悪いわけじゃないのかと安心してしまう。
しかしなまえはそんな俺の優しさにも気付かず、また視線をゲームへと戻した。

「おいコラなまえ」
「うん、だからなに?」
「…サボりかよ」
「うんサボり。あとそれさっきも聞いたよ」
「チッ」

俺の舌打ちに嫌な顔をしたなまえの布団を引っぺがす。「寒い!!」となまえが怒鳴るのなど気にせずに、俺はなまえからゲームを奪おうとした。
なまえは突然の寒さに震えながら俺を睨んだ。

「何なの!さっきから!!」

ゲームを強く握りしめて俺から離れるなまえに、また舌打ちを零す。俺の前だってのにゲームばっかりやってる前が悪いんだという意味を込めて睨み返してやると、なまえは訳が分からないと言わんばかりの顔をした。そんななまえにそろそろ俺もブチ切れる。力任せになまえからゲームを取り上げて、その薄い唇に噛み付いてやった。

「っん、!?」
ぬるりと舌を突っ込んでそのままかき回せば、なまえはじたばたと暴れて俺の胸を叩いた。(いてえよ、バカ)鬱陶しい腕を掴んでそのままなまえを立たせる。しかし上手くバランスを取れずによろけた細っこい身体を近くの壁に押し付けて、がっつくようなキスを続けた。なまえの目元が痛そうに歪む。ざまあみろと心の中で笑ってやった。俺に構わないお前が悪い。

「き、きょうじ、っはぁ、やめ…っ」
「黙ってろ、ッ」
「ンう、う ぁ…!」

時折漏れる苦しそうななまえの吐息にひどく興奮した。どう考えても俺を誘っているようにしか思えないが、なまえの表情を見る限りそれは違うのだろう。口の端からだらしなく涎を垂らしてぎゅっと目を瞑っているなまえの表情は、決してそそるものではないしエロさの欠片もない。しかし俺からしてみればかなりそそるしエロ可愛いとも思う。それは俺がこいつに溺れているからだ。

 震える手でぎゅっと俺の制服を握りしめるなまえに、俺の理性はロスト寸前。耐えきれなくなった俺は無造作になまえの服をたくし上げて、また角度を変えながらなまえの唇を貪る。気付けばなまえの頬が赤く染まっていて、理性は完全にロストした。
(生意気な口なんか利かねェで黙ってりゃあ、死ぬほど可愛いってのによぉ)
そんな文句を垂れながらなまえの腹に手を滑らせる。途端にびくんとなまえの身体が震えた。正直今のは、すげぇエロい。

「っあ、ぁ!キョウ、ジ…!」

震え上がったなまえの声と同時に、俺がなまえから取り上げたゲーム機が床に落ちる音がする。しかし俺たちはそれに気付かぬまま強く抱きしめ合った。
 まるで助けを求めるようにして俺の背中に手を回したなまえは、俺がなまえの肌に触れる度に俺の背中に優しく爪を立てる。襲いかかる快楽に必死に耐えているようだ。
そんななまえの反応を楽しみながら、俺もギリギリだった。(はやく、思いっきり犯してぇ)奥までぐちゃぐちゃにしてやりたい。

「なまえ、」

荒い吐息を漏らしながら、俺はなまえの耳元で言い聞かせるように囁いた。


「俺を放置したこと、後悔させてやるよ」



それは目映いロストブルウ
(俺がお前に溺れる分だけ、お前も沈んでいけば良い)


 20140123
タイトルサンクス 花畑心中