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※性描写有り




「ッう、やだ、や、」
「抵抗すんな」
「やめて、倉間おねが、あ…!」

 私たちはテスト勉強をしてるハズだった。本当は南沢先輩の家にお邪魔させてもらおうと思っていたのだが、倉間が「南沢さんは危ないから」と言うものだから倉間の家にお邪魔したら、この有様だ。

 倉間の家に勉強道具を広げて三十分ほど経った時、倉間が少し休憩しようと言ったけど、私は「テスト近いんだから集中しなきゃ」とまたノートと睨めっこを始めた。そしたら倉間は勉強する教科を変えるだのなんだのでとにかく集中力がなくて呆れたものだ。これはもう放っておこう。だりぃだのねみぃだの項垂れる倉間を放置し、すらすらとペンを進める。
そしたらいきなり倉間が立ち上がって私の真横に移動し、そのまま私を見下ろした。
「倉間?」
トイレにでも行きたいのかと思い声を掛けてみると、倉間は黙ったまま私の肩を強く押したものだから私は床に寝っ転がる体制になってしまった。

「な、何すんの、倉間」

少し怒るようにそう言うと、倉間は申し訳なさそうに「手が滑った」と言う。絶対嘘だ。そうは思ったが倉間の表情があまりにも本気だったから私は倉間を宥めようと近くに寄った。するといきなり腕を掴まれて、私の吃驚した顔を見た倉間が
「バーカ、ひっかかったな」
と意地悪く笑う。しまったと思い腕を振り払おうとしたが、身長差があまり無いとはいえ男女の力の差は明白で。運動部で鍛えられた倉間の細い腕に敵うはずがない。

「ちょっと、離して」
今度はさっきよりもキツく言ってやると「勉強だよ、これも」なんて馬鹿なことを言うものだから殴ってやろうかと思った。(これのどこが勉強だ!この変態、馬鹿!)心の中で叫んでいたら倉間はにやりと不敵な笑みを浮かべて言う。

「保健体育の実習に決まってんだろ」

その言葉と同時に、倉間がこれから何をしようとしているのかが予想できてしまって頭が真っ白になった。いくら馬鹿な私でも、そういうのは理解できる。(こ、これはまずい…)今すぐこいつから逃げなくちゃ、と本気で抵抗した。私は勉強をしに来たわけであって、こんな、ふしだらなことに巻き込まれる覚えは全くない。お断りだ。

しかし現実はそう甘くないらしく、どんなに強く倉間の体を押し返してもびくともしない。(え、え、なんで、どうして)だんだんと頭がパニックになって涙さえ浮かんできた。そして話は冒頭に戻る。

「ほ、ほんとに、やめて……」
「別に最後までするわけじゃねえんだから」
「当たり前だよ馬鹿!」

さっきから好き勝手言ってばかりの倉間に本気で腹が立った気がした。私がこんなに抵抗しているのに倉間は額に少し汗をかくくらいで、やめる素振りはこれっぽっちも見せない。これはもう立派な犯罪になると思う。そんなことを考えながら倉間を睨んでいると、服の中に生ぬるい手が滑り込んできて思考回路が止まった。

「! ひ、ッ」
「暴れんな。大人しくしねえと痛い思いするぞ」
「そ、そもそも、南沢先輩があ、危ない って言った、から、くらまの家、来たのに……っひう、う、あぁ…!」
「んな事言って十分その気じゃねえか」
「ちが、うあっ、んん」
「違くねえだろ。この淫乱」

そう耳元で囁かれ、ビクリと体が震える。なにこれ、気持ち悪い、気持ち悪い気持ち悪い。それなのにくすぐったくて、少しだけ気持ち良い。(いや、いやだ、!)自分の声から漏れる甲高い声や吐息に強い嫌悪感を感じた。私はぎゅっと唇を固く結び、その上から両手を被せる。
「、んっ、う」
「ッ…声抑えんな。萎えるだろ」

(萎えろ!!)
心の中でそう反論するのは、せめてもの抵抗のつもりだった。手や足をこれでもかというくらい暴れさせて抵抗したいのに、それができない。倉間の掌もだんだんと熱くなってきて、私の鼓動も速くなる。するするとお腹から胸にかけてを何度も撫で回され、また声が漏れた。

「ひぁあっ、な、何して、あ、ぁぁあっ!」
「そうそう…もっと、泣けよ」

倉間の肩手がどこかに行ったから油断していると、いきなり膣内にシャーペンをねじ込まれた。ずぶずぶと中に入ってくる異物感が堪らなく気持ち悪いのに、声が止まらない。全身に甘い痺れが走って、背中が反り返って、だらしなく涙が零れてしまう。倉間がシャーペンを動かす度にぐちゅぐちゅとうるさいほどの水音が厭らしく響いた。
こんなハズじゃなかったのに、と、悔しいような気持ちに襲われる。
倉間はそのままシャーペンを抜いたり奥に突き立てたりを繰り返した。すると、ある一点をシャーペンが擦った時、半端じゃない快感が私を襲い、全身が痙攣する。

「っあ、あ、ぁああ、やだ、やだそれやだぁ…!!」
「…っもう挿れるぞ」
「な…!さい、ごまでしないって…くらま、言ったのに…!」

あっさりとシャーペンが抜かれたかと思ったら、カチャカチャと金属音が聞こえてきて。まさか、と思った時にはもう遅かった。抵抗する暇もなく、熱くて硬いモノが膣内に押し込まれる。目がちかちかして倉間の顔がよく見えない。
(くら、ま、倉間、)

「んん゛っ、抜い、ふぁあッ」
「はッ、なまえ、可愛い」

倉間は幸せそうにそう言うと、汗ばんだ手で私の髪を乱暴に掴み、そのままキスをした。倉間と私は付き合っているわけでもなければ、両想いなわけでもない。それなのに、どうして倉間とのキスを気持ち良いと感じてしまったのだろう。
 それからはもう考える余裕すら与えられず、ただひたすらに奥を突かれ、何度も泣いて、喘いで、声が止まらなくて、結局倉間の顔をちゃんと見れないまま意識が途切れた。

「倉間、好き」

最後に無意識に言い放った言葉が何だったのかは、よく覚えていない。




In a dream


 20140526