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「っはぁ、あ、淳…」
自分の体が可笑しくなって、しばらくが経った。出されたお茶を飲んでからすぐに体が熱くなって、それにくすぐったい。私の向かい側では淳が楽しそうにクスクス笑っている。

「ほらなまえ、早く課題進めなよ」
くるくるとペンを回しながら私を見つめる淳は確信犯だ。
 今日は淳と二人で学校で出された課題をやろうという事になって、私は淳の家に来ている。実を言うと私は淳の双子の兄である亮に思いを寄せていて、淳もそれに気付いてる。淳はさりげなく協力してくれたりしたけど、直接的にその事を話したことはなかった。

「亮、もうすぐ帰ってくるよ」
「その前に…っはぁ、お茶に何入れたの」
「媚薬だけど」
「っ、!?」

淳があまりにも淡々と、ハッキリとそう言ったものだから頭の中でその言葉を上手く解釈できなかった。

「な、何言って…っはぁ、」
「即効性とか書いてあったからどんな感じかと思ってたけど本当に即効みたいだね」

淳の言葉が理解できない。
媚薬なんて、そんなものどこで手に入れたんだろう。だってまだ中学生なのに。
 淳は私の頭をポンポンと撫でて、卑しく笑う。

「苦しい?」
すごく楽しそうな笑顔を浮かべる淳の質問に答える余裕なんてなかった。それでも首を縦に降ると、なぜか「嘘つき」と淳が言う。

「苦しいんじゃなくて、気持ちいいんでしょ?ねえなまえ、嘘つかないで教えてよ」
「あ、淳…いい加減に…っ、」
「なまえ」

悲しそうに私を呼んだ淳の声に、息が止まった。テーブルに置いたまま微かに震えている私の手が淳の手に包み込まれる。ハッと視線を上げると、ポーカーフェイスを崩した淳がこちらを見つめていた。

「好きだよ」
「、え……?」

やけに静かな部屋に、私の呼吸と時計の音だけが響く。

「今の僕が亮だったら…嬉しい?」
「な、なんで…」
「どうせなら、亮に好きって言われたかった?」

 そのうち時計の音さえも私の耳に入らなくなった。淳の瞬きが、唇の動きが、私の手を握るその体温だけがしっかりと体に刻まれていく。
 淳が私を好きだなんて、ありえない。
ただそう信じたくて、でも目の前で私を見つめている淳を見てしまえば現実逃避なんて許されなくて。

「答えてよなまえ、じゃないと僕…」

淳が言い切る前に、私の体は柔らかいカーペットに押し付けられた。私の体に馬乗りになった淳が、恍惚とした表情で私を見下ろす。
勘が、叫んだ。逃げなくちゃ駄目だ、と。

「っ、…!」
全ての力を腕と足に込めて立ち上がろうとした。だけどガクンと崩れ落ちた体は意図も簡単に淳に捕らえられてしまう。

「もう、止まんないや」
「や…やだ、っ!」
「なまえ、なまえ。ねえほんとは少しだけ僕の気持ちに気付いてたんでしょ。」
「あつ、し、淳離して…!」
「期待したんでしょ。僕の気持ちを察してたくせに、ここに来れば亮に会えるって」
「ち、ちが、」

首筋を引っ掻くように撫でられた。
乱暴な手つきだった。怖くて涙が溢れる。体が熱くて、くすぐったくて、余計に涙は止まらない。
淳の乱暴な手つきにさえも、反応してしまっている自分がいた。

「はぁ、あ、ぅっ」
「…そんな酷いなまえにはお仕置きしないといけないよね」
「っひ!?な、なに、淳…!」

スルリとスカートの中に入り込んできた淳の手。突然の事にびくんと体が跳ねた。淳は私の耳に息を吹き掛けながら喋る。

「亮、もうすぐ帰ってくるから」
「っ…!?」

それは、絶望と言っても過言ではなかった。
今までずっと想いを寄せて、亮が好きだから亮に好きになってもらえるように努力して、だけどこんな私の姿を見たとき亮はどう思うんだろう。
きっと幻滅して、嫌いになる。それだけは嫌だった。ましてや相手が淳だなんて、冗談じゃ済まされないだろう。

「あつし、淳お願いだからっ…や、やめっひぁああ!?」
「だから止まんないって言ったでしょ」
「やだ、やっ、あっあ、ぁんん!」

陰核をぐりぐりと親指で潰されて、喘ぎっぱなしになった口から涎が垂れた。嫌だやめてと叫んでも、どうにもならない。媚薬のせいか体が敏感になってる。自分の立場を理解したところで、絶望しか浮かばなかった。

「んっん、あ、あぁっ、はあぁっ…!」
陰核から手が離れたと思えば今度は膣に指が入ってきた。ぐちゅぐちゅと中を解していく淳の指に全身がびくびくと震える。

長い指が膣内の壁を引っ掻くようにして刺激する。たまらない快感に神経が壊れてしまいそうだった。陰核の裏側を強く擦られて視界が真っ白になる。死んでしまったのだと勘違いした。

「あ、はぁ…っ、ん、ぁ…」
「あれ、もうイッちゃったの?早いよ」

淳は嬉しそうだ。
亮と同じ顔が、目の前にある。淳の笑顔が亮の笑顔と重なって見えた。
これが亮だったら。亮もこんな風に恍惚と、卑しく笑うのだろうか。
たとえば、もし、これが亮だったなら。こんな無理矢理な形であってもこの行為を受け入れられるのだろうか。

「なに考え事してるの。そんなに余裕?もっと気持ちよくなりたい?これじゃ足らない?」
「っ、!ち、ちがう…!やっ、」
「なら入れても平気だよね」
「、…!」

視界が揺れる。
淳からこんな台詞は聞きたくなかった。
どうしてもどうしても亮と重なってしまうこの顔で、そんな事を言ってほしくない。だって今まで私たちは友達で、それで、私が好きなのは、亮なのに。

「今、亮のこと考えてたんでしょ」
「っ…」
「やだな…むかつく。ちょっと悪戯したら許してあげようかなって思ってたのに、僕とこういう事してる時まで亮のこと考えるなまえなんて、もう優しくする必要ないよね」
「、あつ、しっ…」

両足を掴まれて、そのまま開脚させられる。下着は簡単に脱がされ、だらしなく捲れたスカートは存在する意味を失っていた。
淳の手元からカチャカチャという金属音が聞こえる。ベルトを外す音。

「もうこんなにぐちゅぐちゅだよ?」
淳が私の秘部をなぞるように撫で上げた。びくびくと秘部が痙攣してる。そしてまた指を入れられて、ぐちゃぐちゃにかき混ぜられる。

「や、あっあっあぁああっ!はや、っ早いよぉっ、あ、あつしっ!んあ、ああっやぁあっ!!」
「亮と同じ顔に興奮した?ねえ、」

わざとらしい台詞だ。私をわざと興奮させるような、卑怯な台詞。私の秘部は亮の名前を聞くたびに熱くなって、きっと淳もそれに気付いてる。

「痛かったら言ってね。まぁ言っても止めないから無意味だろうけど」
「っや、やだ…淳、やめっ、」

ずぷり。先端が入ったかと思いきや一気に最奥まで突き入れられた。

「んあぁあっ、やっ、はぁっ、あっあっ!」
「なまえ…やっぱり可愛いな、」
「あつっ、しっ、あぁあっ!!」

何回も何回も出し入れを繰り返して、私の反応を楽しんでる淳。初めてなのに痛くないのは媚薬のおかげなのだろうか。
 さっき指で攻められたところを、また淳の固いそれが強く擦りあげる。厭らしい匂いが鼻をつついた。苦しくて、呼吸しにくい。

「んっ、ーーっあぁあああ!ひっ、あっんんんっ!!や、っりょ、亮…!!」
「!!」

がつがつと最奥を突かれる中、無意識に亮の名前を呼んだ。きっと亮には届かぬであろうその叫びは、淳の耳にはしっかりと届いたのだろう。腰を沈めたままグリグリと奥を攻め立てる動きに力が入った。

「だから…むかつくって言ったよね。亮ばっかり、ずるい。今なまえの目の前にいるのは僕だよ?淳だよ?亮じゃない。ねえ分かってる?」
「あっあっあっ、やぁ、り、亮っ、りょう、りょう…!っあ、やっやだそれやだぁああっ!!」
「それが良いの間違いでしょ?ほらほら、もっと喘げよ」
「んひぃ、あああっあっやだっ、んんっ!そこグリグリしないでぇえっ!!」
「っクスクス…ド淫乱」

淳の罵りと同時に子宮口を強く擦られた。あまりに強い快感に意識が一瞬飛んでしまいそうだった。視界が真っ白になる。また、死んだんじゃないかと勘違い。

「っあ、んっ、…はぁ、あ、っ」
「なまえ」

チカチカと視界が謎の光で遮られる。まだはっきりとしない意識の中。淳と目が合う。淳も疲れたような顔をしていた。息が荒い。淳はただ私の頬を優しく撫でて、呟いた。

「本気で…本気で好きなんだ、愛してる…理屈じゃない。本当に…好きだよ」

淳のその台詞を聞いた私が疲れ果てて意識を失うのと、ガチャリと玄関の開く音が聞こえたのは同時だった。


20121211
久しぶりのがっつりR18すごく楽しかったです。
最近、更新が遅くなってしまって申し訳ないです。もっと頑張ります。