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 最近、幼馴染みの様子が変だ。私を見てはすぐに目を逸らすし、なるべく会話をしないようにしている。明らかに私を避けていた。

「ねえ佐伯、なんで避けるの」
幼馴染みの佐伯にそう問いかけてみれば、ストレートすぎたのか焦った表情を見せる。そんな佐伯に思わず首を傾げた。

「…彼女でもできたの?」
「そ、そうじゃないって」
「じゃあ何で、」
「…なまえ」
「え?な、なに…」

強く腕を捕まれて動揺してしまう。攻守が交代したみたいだ。真剣な表情なのに、佐伯はまた目を逸らす。

「…また、目逸らした…」
「我慢できなくなるから」
「え、な、何が?」
「なまえが好きだ。なまえの顔を見てるだけで、変なことばっかり考えちゃって我慢できなくなりそうなんだ…だから、避けてた」

ごめん、と。佐伯は確かにそう呟いた。

「私だって、好きだよ」
だから避けられてるって気付いて、悲しかった。それに、もし佐伯に彼女ができていたらどうしようとか、考えた。

「今までずっと一緒にいたなまえだからこそ、好きになれたんだ」
「さ、佐伯…」
「まぁなまえは未だに俺を名前で呼んでくれないけどね」

そう言って佐伯は苦笑した。そしてゆっくりと私に向けて手を伸ばしてくる。

「…ねえなまえ、」
「え…?」

ぎゅう。苦しい程に抱き締められたかと思ったら、佐伯の少し骨ばった手がシャツに滑り込んできた。

「抱きたい」
それはいつもの優しい佐伯じゃないような気がして、少しだけ怖くなる。ああやっぱり、佐伯だって男なんだ。そう実感させられて、どういうわけか抵抗できなくなった。

「…肩の力、抜いていいよ」
「っちょ、っと…!」

背中を厭らしく撫でられて身体が震える。佐伯は余裕な笑みを浮かべて可愛いとだけ呟いた。悔しくも顔に熱が集まる。

「ひ、卑怯…っあ!待って、そこ、ッ」
「ん?ここは駄目なの?」
「やだ、だ、駄目…!」
「じゃあもっと触ってあげるよ」
「ち、ちが…!や、あぁっ!あ、あっ」

いきなりスカートの中に入り込んできた佐伯の手がショーツ越しに突起を摘まんだ。あまりの快感に私はだらしなく声を漏らす。

「佐伯ぃ…っも、やめ…!」
「もっと?」
「はぁあっ!ぁ、あ、あっ、んン!」

強引にキスをされて息が止まる。やばい、酸欠になりそう。
 佐伯は秘部に中指を差し込んだ。突然のことに唇を離して叫ぶ。

「っだめ、あぁああっ!」

続けて薬指も差し込まれたかと思いきや、高速で抜き差しされる。強すぎる快感の波に圧されて、意識がふっ飛びそう。
イキそうになって、ぎゅっと目を瞑ると秘部から指が抜けて、カチャカチャとベルトを外す音が聞こえた。

「っさ、佐伯…まさか、」
「良いだろ?嫌とは言わせない」
「い、嫌じゃないけど…っゴム…持ってるの?」
「持ってないよ」
「じゃ、じゃあ駄目!」
「何で?」
「あ、赤ちゃん…できちゃう、から」
「うん。良いじゃないか、俺は嬉しいよ」
「そうじゃなくて!だって私たちまだ、中学生だし…!」
「なまえ、」
「っはぁぁ!ちょ、待っ…!!」

ずぷり。先端を少しだけ差し込まれて、思わず腰が震える。佐伯はいつもより幾らか低い声で言った。

「俺の子供、産んでよ」

そんなセリフと同時に、思い切り最奥を突かれる。飛びそうになった意識を必死に保っていたら、フワリと抱き上げられてそのままガツガツと奥を突かれた。

「あっ、あぁあぁぁあっ、ーっ!やだ、やだぁっ佐伯っさ、さえきぃっ!んあっ、ひ…うっんぁあ!はぁっ、あ、こ、虎次郎…っ!!」
「っなまえ…可愛すぎ。もっと、っ俺を求めてよ…ッ!」
「こじ、ろ…!すき、す、好きっ!」
「ああ…っ、俺も好きだよ。愛してる」

どぴゅう。生暖かい液体が子宮に流し込まれて、ぴくぴくと身体が麻痺したように震える。佐伯は額の汗を拭いながら、恍惚とした笑みで私に言った。

「中出しにも感じてるんだ?可愛いなぁ、ちゃんと元気な子を産んでね、なまえ」

そんな彼のセリフなんて耳に入らず、私はそのまま意識を失った。


20120916