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信じられないことに、赤ちんは中の刺激で二回イった。
一回目はオレのを突っ込んだ時。体格差があるからアレかなって思ったけど、なんか、かなりスムーズにいけてしまった。
なんで?ってこっちが驚く間もなく赤ちんは下半身を痙攣させながらイった。その時の締め付けにやられて完全に箍が外れたオレは、直前まであった疑惑をかなぐり捨ててめちゃくちゃに腰を振りまくって、最早赤ちんの反応とかどうでもよくなってひたすら好きなようにして、気付いたら赤ちんの身体はとんでもないことになっていた。


「あ、赤ちん…?!だ、大丈夫?!」
「ぁ…っ、ま、て、…動くな…っ」
「え?でも…」
「…いい、大丈夫だ…、…抜かないでくれ」

自分で出したものが顔にまで飛んでどろどろになりながらも赤ちんはオレの腕に手を当てて、乱れまくった呼吸を何とかしようとしている。
抜くなと言われても。いまオレ、赤ちんの中に出したし、これそのままにしたらたぶん赤ちんの腹がどうにかなる。逆らって腰を引こうとした。そしたら、赤ちんの両足がオレの腰に絡み付いてきて、うわって思った。

「ちょ、赤ちん…」
「抜くなと…言ってる…っ、…さすがに、立て続けに3回は、…無理だ」
「え?いや、しないよ、もう…」
「動いたら、したくなるんだ」

記憶の中ではさっきまで弱弱しい表情をしていたはずの赤ちんが、キッときつい目付きでオレを睨み上げている。したくなるって。いや、出来ないでしょ。オレは出来ない。…オレ、は。
「あ、赤ちん…もしかして」
「…お前の、が、…擦れるだけで、…感じてしまう」
「う、嘘、だって…」
信じられないことの連続だ。確かに、視線を落とせば赤ちんの赤ちんはまた、その兆しを見せていて。
これってどう見ても、後ろでイくのに馴れてる人の。
「赤ちん…?!え、ちょっとまって、…これ、初めて…なんだよね?」
「……」
「赤ちん?!」
とんでもない事実が発覚しそうになって、オレは焦る。
まさか。あの反応ってやっぱり演技だったとか?実はオレの知らないところで赤ちんは、とうの昔にバックバージンを捨てて、全然セックス馴れしてて、いやでも、そんな。
「…は、初めて…じゃないはずが、…ないだろう…」
オレの困惑を受けて、赤ちんが吐く。
オレの腕に当てた手をそのまんま自分の顔の上に持ってって、目元を隠して。それはまるで、恥らうような仕草に似ていて。
「オレは、ずっと、…お前と、したかった…、オレが望むのは、…お前、だけだ…」
「じゃ、じゃあ…」
「…っ、前立腺の刺激で射精を覚えたのは、お前を受け入れるためだッ!オレは、お前とセックスするために、毎夜の習慣として……、ど、道具を…用いて…」
「道具?!」
「ぅあ…っ」

聞き捨てならない告白を受けて、思わずオレは赤ちんの腕を無理に顔から引き剥がして顔を近付ける。
なんてことを言いだすんだ、この人は。そんでもって。
「く…っ」
「ば、馬鹿か…っ、動くなと言って…」
「…すっげ、…ホントに、また、出来そ…」
きゅんと締まった中の感覚に、一瞬頭の中がグラっとなる。思わず欲望が首をもたげて、赤ちんの制止を振り切って腰を引く。ずるりと滑らかに抜ける、この感触がむちゃくちゃ気持ちいい。
「あ…、…っ、まて、まってくれ、紫原…」
「…嘘。…欲しいくせに」
「これ以上は、む、むり、だ…っ、頭がおかしく、な…、ッ?!」
「…なろうよ。どーせだし」

喚く赤ちんを黙らすために、抜いた腰を一気に沈める。引き攣った悲鳴をあげた赤ちんの目が蕩ける。もう無理。あとはお互い、体力勝負ってやつじゃない?
体格差はあるけど、オレよりも基礎練を熱心にやってる赤ちんの体力が結構底なしってことはオレ知ってんだ。だから、理性が残ってるっぽい赤ちんには悪いけど付き合って貰うよ。

「う、んっ…ぅあぁ…む、紫原ぁ…」

とは言え、赤ちんの理性って奴もものの数秒で溶け消えてしまったのでもう進む道は一本しかなかったのだけど。





赤ちんの処女を奪った獲物をまじまじと眺めてたら、猛烈な虚脱感に襲われてため息がついて出た。
「こんなもので…、よくやるよねぇ…」
「…仕方がないだろう。他人に挿入を強要するわけにはいかないんだ。自分でやる以外、どんな手段がある」
「まぁ、それは本当に心底勘弁だけどさぁ。…知らなかった、赤ちんがそこまで思い詰めてたとか。言ってくれりゃ良かったのに」
「…言ったところでどうなる?実際にお前は、オレが要請するまで挿入を躊躇っていただろう」
「そーだけど…。…だったら、ディルド使って馴らしてあるから全然平気〜って言ってくれたら、もっとラクに…」
「それこそ言えるはずがないだろう?!オレがどんな思いでこんなものを…」
「あ、一応そういうのは恥ずかしいんだ?…ふぅん」

勃ったときのオレのとほぼ同じサイズのこれを用意する赤ちんの観察眼の鋭さは置いといて、まぁ、ベッドにうつ伏せに倒れて動けないままこっちを睨んでる赤ちんの珍しい姿はちょっとした冒険心をくすぐられる。
ディルドなんてオレは目にするのも触るのも初めてだし。でもこいつは何度も赤ちんの中を行ったり来たりしてるわけで、って思うとやっぱ。

「…これ使ってるとこ、見してくんない?」
「…ふざけるな、殺すぞ」
「えー、そこで怒る?」
「怒るに決まってるだろう。…こちらにそれを向けるな」
「なんでぇ?さんざん気持ち好くして貰ったくせに。可哀想じゃん、使い捨てにしたら」
「…紫原」

赤ちんの側に寄ってディルドの先を赤ちんの眼前に突きつけると、赤ちんはそれこそ視線だけで殺すって顔をして低く押し殺した声を絞りだす。
さすがにからかい過ぎかなって反省したオレに、赤ちんは。

「オレが求めていたのは道具で得られる刺激じゃない。それは、ここに至るまでの過程に過ぎない。…本懐を遂げた今のオレには不要なものだ」
「…あ」
「それとも、自信がないのか?…道具に対して負けを認めると言うのなら、継続して使用しても構わないけど」
「…っ、だめ!それはだめ!負けてねぇし!オレのが赤ちん気持ちよく出来るしっ!」

挑発的に笑う赤ちんにまんまと釣られたオレは、ディルドを床に叩きつけて赤ちんに覆い被さる。
まだ服を着てない赤ちんの素肌の肩がくっくって笑ってる。くそ、ばかにしやがって。

「…オレのが、気持ち良かったっしょ?」
「…どうだろうな」
「うそ、めちゃくちゃ感じてたじゃん」
「前立腺への刺激で射精出来るように自ら調整したと言ったはずだ。お前の性器でなくとも、オレの身体は高まるよ」
「…じゃあ、試してみる?」
「何?…ッ」

襟足の髪をかきわけ、白いうなじにキスをする。それだけでビクつくくせに。ちょっとケツ穴開発したくらいで強がってんじゃねーよ。

「紫原…、やめろ」
「やめない。赤ちんが認めるまでキスする」
「…何を認めろと言うんだ?」
「赤ちんが何で一番気持ち好くなれるかって話。…ねー、赤ちん?」

ここ、痕残したらバレるかな。まぁ、バレてもいっか。どうせこの人、オレにしか反応しないんだから。

「…っ、紫原!」
「ムラムラした?」
「…お前は…」

首を捻ってこっちを見る。赤ちんの目が細まって、ちょっと溶けて、やらしい顔になる。
「ねぇ赤ちん、オレの、好き?」
「…ああ、好きだよ。最早腕一本動かす余力も残ってはいないけれど、それでも、…再び体内に招きたくなるくらいには」
「言ったね?じゃ、もっかいしよっか」
「…いいだろう。だけど、紫原。その前にひとつだけ言わせてくれ」
「ん?なに?」
「皮膚や前立腺への刺激に快楽を得られるようになったこの身体には重要な欠陥がある。それは、無機質な道具を使用していた時でも常に、お前が与える想像を伴っていたことだ。…紫原、オレはお前の性器のみを欲しているわけじゃない。そんなもの、お前の下半身に生えていなければただの肉の塊に過ぎないし、オレは…」
「うん、知ってる。赤ちんはオレが好きで、エロいこと出来んのはオレ限定ね。…オレもだよ、赤ちん」

淡白そうな見た目の奥に、非常に健康な性欲がぎらぎらと詰まってんのはよく分かった。
オレが引っぺがしたその本性は、赤ちんのことをよく知らない人たちが見たらビックリして死んじゃうかもね。でも大丈夫。見せなければいいだけのことだから。

淡白でも高潔でもないこのド淫乱な身体はね。
大事に隠して、オレにだけ見せてくれればいいからね。











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