七限まである日は嫌いだ。

六限の日とそんな大差はないけれど、やっぱり長い。

校庭の桜は散り、青々とした葉が太陽の光を浴びている。

春が終わったんだなあ、と空腹も満たされ瞼が重くなって来た五限の授業は国語。

益々眠くなる、と呆としていると先生に指された。

ああ確かこの先生は眠そうな生徒を指す先生だったなあ、と今更後悔する。

教科書を読んでくれと言われたけれどその後よく聞こえなかった。


「52頁だ」


え?なんて?

誰が言った?
と思うも横からすっと長くて細い指が見えたと思ったら読む頁を見せてくれた。

私は自分の教科書を開いて読む。

すると先生が解説し始め、ほっとした私は隣の中禅寺くんを見た。


「ありがと」


凄く小さな声で言ったのが聞こえたらしく、中禅寺くんと目が合った。

少し遅れて頷いた(ように見えた)中禅寺くんは教科書に目線を移した。

優しいんだ、中禅寺くんって、と思っていたら前の方に座っている瞳とばっちり目が合った。

そしてニヤァアと笑うものだから私は知らない顔をして教科書に目線を移す。

その日の国語の授業は珍しく頭に入って来なかった。


23 September 2013.
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