目を覚ませば見覚えのある天井。
パチパチと近くから暖炉が鳴り部屋は外とは違い暖かい。
少し見渡せばアサシンの大きな旗が吊り下げられていた。
あぁ、ここは隠れ家だ。
「気がつきましたか」
この声に安心する。
コツコツと靴を鳴らして私のいるベッドの隣に、マキャヴェリさんは来た。
その顔は酷く不機嫌そうだった。
私はてれっとした顔で笑う。
…この人を怒らせたら説教の山だなぁ。
「お、お久しぶりですね」
「全く、仲間の連絡がなければ今頃あなたは死んでいるのかも知れないと言うのに」
「でもちゃんと生きてます」
その証拠に右手を上げ様と力を入れれば激痛。
こりゃマキャヴェリさんが怒る理由もわからない訳じゃないな。
「誰がここまで運んで来たと?」
「…(げ、来た説教!)」
「もしこんな羽目になっても二度と私は助けになど行きません」
「…すみませんでした」
だって倒せる相手だと思ったから、なんて言えば今度は平手打ちが来るかも知れないから言わない。
でも心配してくれているんだな、とはいくら私でもわかる。
あ、ほら、毛布をちゃんと肩まで掛けてくれたよ!
「2日も意識不明で、」
そんなに重傷だったのか私、と呑気に考えていると怒鳴り声が聞こえた。
「どれだけ心配したかわかっているのですか!」
…呆然とした。
マキャヴェリさんが怒鳴り声を上げるなんて初めて見た。
拳を握っている手はぶるぶる震えていて、いつもとは違う緩んだ眼差し。
マキャヴェリさんは滅多に感情や表情を出さない人だと有名だから、こんなことで感情丸出しにするなんて。
でもすぐにまた感情を中に仕舞い込んだいつもの表情に戻った。
「1ヶ月間外出禁止です、良いですね」
「…はーい」
「ついでに晩ご飯も抜きです」
「えー!」
「冗談ですよ」
28 December 2011.
Masse