short | ナノ
夜中の3時を回った。

それでもなおスーツのままデスクの椅子に座ってカリカリとペンを動かしている。

睡魔と戦いながらしているから字が読めない程汚い。

提出日は今日なんだ、頑張れ。

何度目かわからない欠伸をした時、控え目なノックが聞こえた。


「…サラ?」

「……ドレーク?」


暗くて見えなかったが声からしてドレークか。

どうぞとも言ってないのにドレークはドアを開けた。


「誰も入れとは言ってない」

「す、すまない」


冗談よと言えばそうかと安心した様に入って来た。


「灯りが付いていたから来たんだが、まだ仕事しているのか」

「やるの忘れてた」


コーヒーでも出そうと椅子から立ち上がれば俺は良いよ、と。


「珍しいな、仕事を忘れるなど」

「…歳だね」

「俺と2つしか変わらないだろうが」

「そうだった?」

「あぁ」


ドレークは椅子を持って来て私の向かいに来た。

なにをするのと思いきや、仕事を手伝ってくれるのだそうだ。


「良いのに」

「このままでは寝てしまうだろう」


はは、と力ない笑いを浮かべてから30分後に私はプチッと意識を手放した。

ドレーク、礼はまた今度ね。


(…こいつ、案の定寝たな)


4 May 2012.
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