ホテルに着いたらもう日付けが変わっていた。
肩から下げていた鞄を適当に置いて、力ない足取りでシャワーを浴びに行く。
脱いだ服は足元に散乱し、シャワーをし終わればバスローブを着て早々とベッドに横たわる。
明日は午後からだ、だから今日はゆっくり眠れる。
今頃、サラは何をしているんだろう。
もう、眠っているか。
俺は傍に置いていた携帯に電源をつけ、サラからのメールや電話がなかったかもう一度確かめる。
勿論、メールも電話もない。
少し手先が冷たくなった気がした。
…もう眠ろう。
多分明日には来ているだろうから。
*****
明るい日差しに目が覚めた。
もう起きないと、と身体を起こすと昨日着ていた服が綺麗にハンガーに掛かってあった。
昨日は確かシャワー室に置いたのに。
気のせいか、と寝室のドアを開けるとテレビの音が聞こえた。
「…サラ?」
テレビを見ていたのは紛れもなく恋人のサラで。
「ごめんなさいね、来ちゃった」
へへっと笑うサラに俺は酷く安心感を覚える。
嗚呼、俺はサラなしでは生きて行けないんだと。
3 May 2012.
Masse