お互いに少将と言う肩書きを持ち、良い意味ではそれなりに尊敬され、悪い意味ではその肩書きに縛られる。
同期のサラとは恋人同士だった。
付き合い始めたのはもう随分前になる。
その時は毎日が幸せで、何よりもサラといる時間が大切だった。
永遠に続くと思っていたのは君もだろう。
これは俺だけの勘違いだったのか、サラ。
「別れましょう」
同時に少将に進級し、喜びと共にやって来たのはサラと会えない時間だった。
任務はそれぞれ違い、長引けば半年も。
任務が入れ違いになったりして、会えるのは廊下ですれ違うか食堂で会うかしかなかった。
日に日に増えていく傷、日に日に溢れる後悔。
こんなはずじゃなかったんだ。
俺の全ては君だけだった。
俺は必要なものを全て失ってしまった。
「…サラ、」
俺には君の理由がわかる。
わかっているよ。
痛いくらいに。
「ごめんなさい」
今抱きしめたのが最後になる、のかも知れない。
君は俺に背を向けて走って行く。
待ってくれ、と思っていても。
君は俺に背を向けて走って行く。
21 March 2012.
Masse
From. Maroon 5 - Runaway