ヘイザムさんは最近よく一人で外出するようになった。
前からこんな事珍しくなかったけど、最近は頻繁に出て行く。
私が眠っている間にヘイザムさんは外出して、私が起きる頃には帰っているけれど、たまに帰って来ない時もあったりする。
外出する時は武器を念入りに備えているから多分殺しをしに行くんだろう。
ヘイザムさんは凄く強いひとだから心配ないってわかっているけど、帰って来ない時は酷く心配する。
強いから、他人より何倍も殺しをするし無理もするだろう。
今まで一度も怪我をしなかった訳じゃない。
ヘイザムさんが望んでいる物はそう安安と手に入る物じゃない事くらい私が一番わかっているつもりだ。
本当は止めたい、止めたいのにあのひとは迷わず進んで行く。
「ヘイザムさん、」
私にはこのひとを止められないけど。
「何をしている。早く寝ろ」
「……ヘイザムさん、」
私の様子が変だと思ったのか、ヘイザムさんは手入れをしていた銃をテーブルに置き、私の頬を冷えた手できこちなく撫でた。
私はその大勢人を殺めて来た手をぎゅっと握った。
「あの、絶対帰ってきて、ください、ヘイザムさん」
そんな事言われるとは思ってもいなかったのか、ヘイザムさんは少し驚いたようだった。
私も今までこんな事言わなかった。
でも日に日に不安は大きくなっているんだ、もしこのひとが帰って来なかったら?命を落としたら?
私はこのひとの為になる事なんて何一つ出来ないけど、待つ事なら出来る。
「ああ、必ず帰ってくる」
そうこのひとは言ったんだ、絶対帰って来てくれる。
その言葉を、ただ私は信じた。
come home
((!ヘイザムさんが帰ってきた!!)…うぅ、ぐすっ)
(…何で泣くんだ)
13 August 2013.
Masse