矛盾博物館


アンモナイト「我々はロマンだそうだよ」
三葉虫「らしいね」
ア「あの老博士が毎日のように」
三「客に向かって」
ア「この化石は!」
三「地球は!」
ア「宇宙は!」
両「ロマンだ!」
ア「宇宙の起源から我々の進化まですべてが奇跡的な確率によるものだとか」
三「必然と偶然が描く連続性の螺旋であるとかね」
ア「螺旋といえばこの私なのに割と省くんだよ」
三「他に言いたいことが山ほどあるんでしょ」
ア「人間の細胞も螺旋だとか?」
三「重要」
ア「何かさ」
三「うん」
ア「宇宙と人間は似ているっていう結論になりそう」
三「もうなってるね。少なくともあの老人にとっては」
ア「人間も奇跡的確率の必然と偶然の螺旋だから?」
三「彼の頭だか心の中ではね」
ア「我々も?」
三「多分」
ア「でも」
三「でも?」
ア「我々は選択をしたことがないよ」
三「あるがままだねえ」
ア「もっと良い道があるのにわざわざ遠まわりしたり」
三「なんにも知らない宇宙に飛び出してみたり」
ア「つまり」
三「人間はロマン」
ア「我々こそ」
両「リアル」
ア「やってみたい?ああいうの」
三「宇宙が終わればぜんぶ終わりだからなあ。虚しいよ」
ア「ところで、話すの何億年ぶり?」
三「……あれ?これ、もしや選択?」


宇宙について
170301 2040


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